弁護士石井です。
遺骨の分割請求についての裁判例の紹介です。
大阪高裁平成30年1月30日決定。
遺骨の分骨請求をするケースは珍しいので紹介しておきます。
この裁判自体は祭祀承継者の指定の申し立てを主位的にして、予備的に、つまり主位的な申立が認められないときに分骨請求をしたという内容です。
家裁は否定、大阪高裁の方でも否定されました。
今回の遺骨は、親ではなく、子供の遺骨です。
子供が先に亡くなってしまって両親が離婚、遺骨をもう一方には連絡せずに自分の判断で移動してしまったということでトラブルになったものです。
移動されてしまった側は、祭祀承継者の指定をして自分が管理する、またはそれが認められないならば予備的に分骨してもらいたいという主張です。
離婚調停の際に、お墓の管理者を決めていたため、大阪高裁ではこの調停による管理者が祭祀承継者の指定だったということで主位的な申立は否定、予備的な分骨請求に関しては特別の事情がないので、認めないと判断しています。
この理論だと、特別な事情が認められれば、遺骨の分骨請求が認められる余地があることになります。
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