オレオレ詐欺で金融機関を訴える報道

銀行 ニュース

弁護士石井です。

オレオレ詐欺のニュースを見ました。

https://www.bengo4.com/c_8/n_9651/
オレオレ詐欺で1500万円被害 窓口が止めてくれれば…80代女性、信金提訴

「オレオレ詐欺で約1550万円をだましとられた東京都の女性(81)が5月17日、定期預金の解約を止めなかったのは注意義務違反にあたるなどとして、都内の信用金庫に対して、全額の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

女性は事件当時79歳。普段、高額の取引は自宅で行なっていたという。家族も信金に対し、50万円を超える金額のときは自分たちに連絡するよう依頼していたが、事件の日は連絡がなかったという。」

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振り込め詐欺は、一度払ってしまうと、
・相手が捕まらない
・捕まってもお金がない
などの理由で、被害回復が難しいわけです。

金融機関から賠償してもらえるならば、被害回復ができることになりますね。

この訴訟の主張が認められるとすると、そもそも女性は、自分の預金を自由に解約できないという結論になります。
自分の預金を解約しようとしても、金融機関には止めたり、親族に連絡する義務があると。

私の知り合いの母親が、振り込め詐欺に引っかかりそうになったそうですが、そのときは、窓口で「私の金なんだから、早くおろせー」と怒鳴っていたとか。
詐欺と発覚してからは、止めてくれた金融機関に非常に感謝していたそうですが、本当に自分のお金が必要なときは、そういう預金者の逆上を相手にしないといけなくなりますね。

親族に連絡するという約束でも、本人と親族との関係が悪化することなんてよくあります。

財産管理契約、信託のような第三者に権限を移す方向か、後見など本人の能力が低かったという方向かの理屈がないと厳しそうな印象です。

この請求が認められると、被害回復はしやすくなり、救済される高齢者はたくさん出てくるので個人的には喜ばしいのですが。

 

 厚木の弁護士事務所 相模川法律事務所

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