不当訴訟に対する慰謝料

弁護士石井です。
多くのスタッフに忘れ去られた可能性があるこのブログ。続いています。

裁判の被告になった方、つまり訴えられた人や会社から相談を受けることもよくあります。

その中でよく聞くのが

「こんな不当な訴訟を起こされて、迷惑してますよ。逆に慰謝料請求とかできないですかね」

というお気持ち。

訴訟が不当提起だったとされ、不当訴訟を起こした側に対して、慰謝料などの損害賠償請求をし認められた裁判例もあります。
不当訴訟の際に証拠を偽造していたケースなど、不当の程度がひどい場合に損害賠償が認められやすくなります。

しかし、損害賠償の内容を「慰謝料」に限ると、金額はかなり低く抑えられてしまっているのが現状です。

たとえば、東京地裁平成11年5月27日判決では、不当訴訟で被告とされた側が勝訴判決を得た後に、損害賠償請求をした事案で、慰謝料として80万円を認定しています。

訴えられるというのはストレスです。
さらに、弁護士を付けても、打ち合わせなど時間や手間は相当にかかります。
その対価としての慰謝料として、このあたりの金額として評価されるわけです。

裁判所は、多くの事件のなかで、精神的苦痛を金額評価しているわけです。

冒頭の質問への回答。

「こんな不当な訴訟を起こされて、迷惑してますよ。逆に慰謝料請求とかできないですかね」

慰謝料請求が認めらる可能性はありますが、金額はこんなもの。
それに色々な負担をかける覚悟があるのかどうかがポイントです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました