弁護士石井です。
事務所の伏木弁護士、田中弁護士ともに破産管財人の依頼が多く来ています。
最近は、私よりも頻繁に依頼を受けているっぽく、経験値が急上昇しています。
法人破産の申立、その後の破産管財業務において、うっかりしがちなのが、税金。
最判により管財人報酬の源泉徴収義務が肯定され、税務署に聞きながら対応はしていますが、そんなに頻繁に業務もなく、忘れがち。
うまくまとめた書籍でも出てくれないかと祈っていたら、出てくれました。
祈ってみるもんです。
税理士さんが基本的なことから解説してくれている本。
管財人報酬の源泉では、破産管財人石井が、石井に対して支払調書を作成しなければならず、この同一人物間でやっているやりとりは正しいのか?と不安を抱いていましたが、やはり正しいのですね。
税金の知識は、還付を受けられて財団が増える場合には、メリットがあります。
また、あとから責任追及されるというデメリットは避けるためにも必要です。
そのあたりの注意すべきケースも取り上げてくれています。
有名どころでは、消費税でしょうか。
赤字会社で法人税の申告なんてやる意味がないではないか、と思っていても、消費税は対応しておく必要があったりします。
法人破産で建物所有、任意売却、という場合には、建物部分には消費税を申告しないといけなくなります。
この建物については、過去の決算書、固定資産台帳から税務署も把握していることから、やっぱりチェックされやすいそう。
しっかり対応しておかないといけませんね。
ちなみに、消費税の申告は、法人税の申告とは全く別物ではないかと考えていましたが、税務署では、「両方やってくれ」と言われるそうです(168ページ)。
こっちにも対応しておいた方が実務上はうまく運べそうです。
弁護士・事務職員のための破産管財の税務と手続 | |
横田 寛
日本加除出版 2013-05 |
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