「死ぬんじゃないか」と心配されていた人が、活動的になってた。
弁護士石井です。
先日、お客さんの変貌ぶりに感動させられました。
何回か相談にいらっしゃっている方です。
法律相談に来る人というのは、当然、悩みを持っていたり、トラブルに巻き込まれたりしています。
その結果、負のオーラにどんよりと包まれていることが多いのです。
ときには、うつ状態になっているような人もいます。
この方も、数年前に初めて事務所に相談に来たときには、借金の返済に追われていて
「自殺するんじゃないか」と不安になるくらいの様子でした。
そのフォローをしながら、話をしていました。
問題はいったん解決したのですが、数年後に再度相談したいとの連絡。
久しぶりに事務所に来た彼は、以前と同じように負のオーラに包まれていました。
いや、それどころか憔悴していました。
聞いてみると働いていた会社が倒産し、収入がなく、十分な食事もできていないとのことでした。
食費を削って借金を払い続けていたが、限界だと感じて相談に来たとのこと。
借金はもちろん返すべきものですが、自分の健康を害してしまっては意味がありません。
体は資本です。
目の前の返済を優先して体を壊してしまっては、将来の返済は無理です。
「返さなきゃ」という考えは大事ですが、盲目的になってしまうのはよくない。
とりあえず法テラスを利用して応急措置的な対応をしました。
1か月後、再び彼と会ったところ、負のオーラがほとんど消えていました。
さらに、「明日、就職の面接なんですよ!」と元気に語ってくれます。
聞いてみると、結構有名な会社でした。
「有名な会社じゃないですか!ハローワークで見つけたんですか?」
と質問すると、彼は言いました。
「いや、募集しているか分からないけど、会社に直接連絡して、会ってもらったんです。
自分のやってきた仕事から、経験を一番活かせるのは、この業界だろうと思って」
なんだ、この活発さは!?
数年間、追われ続ける人生を送っていた彼が、積極的に攻めて就職活動をしている姿にはしびれました。
この会社に就職できるかは分かりませんが、ダメだとしても、今のような行動を続けていれば、結果はついてくるでしょう。
人が良い方向に変わる瞬間には感動させられますね。
そんな彼が別れ際に言ってくれました。
「この前、先生の所に来たときには、本当に参ってましたけど、先生と話してたら元気が出てきたんです。
先生のアドバイスがあって、頑張ろうという気持ちになって動けました」
彼をそこまで変えたとは、法律家の視点から、さぞかし素晴らしいアドバイスをしたのでしょうが、残念ながら思い出せません。
「え、アドバイス?
私、なにか言いましたっけ?」
「ええ、
『とりあえず米を食え』って」
全然、法的アドバイスじゃありませんが、役に立てて良かったです・・・
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