弁護士の石井です。
法律事務所には、「お金を払って欲しい」という相談があります。
そんなときに考えるのは、相談者の言っていることが法律的に認められるのか?をまず考えて、
認められる場合に、相手からとれるのか?
ということを考えます。
裁判で主張が認められても、お金がないところからは回収することができません。
お金を現実に手に入れることが目的なら、とれるのか?という視点が大事です。
その場合、
「その相手の資力からしてとれそうか?」
という視点のほかに
そもそも請求する相手って「その相手で良いのか?」
という視点が必要です。
法律上、請求する相手は一人じゃないかもしれないのです。
何人もがお金を払う責任を負うことがあるのです。
例えば、とある裁判例。
原付バイクと自動車が衝突した交通事故で、被害者側が請求。
ふつうは、加害車両の運転手に賠償を求めていきます。
あとは、加害車両が仕事で使われていたような場合には、勤務先の会社に対しても賠償を求めたりします。
ところが、この裁判例では、交通事故の損害を
県
に対して請求し、これが認められています。
なぜかというと、
交通事故が起きた県道がでこぼこだったから。
県が管理しなきゃだめだよね、ということで国家賠償法の責任が認められたのです。(名古屋地裁平成21年10月23日判決、交通事故民事裁判例集42巻5号)
もちろん、何でもかんでも、誰にでも請求できるわけではありませんが、見落としている所に請求できる場合もあります。そんな見落としがないか心配な方は法律相談で見直してもらうのも一つの手ですよ。
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