弁護士石井です。
神奈川県の自己破産手続きで、借入金で買った動産類の換価処分について議題として取り上げられています。
弁護士会と裁判所の間で開催されている破産事項の懇談会での報告事項です。
破産者の中には、破産の原因となった借金でゲーム機器や同人誌などの動産類を購入して持っている場合があります。
しかし、これらの動産価値が乏しいことから、自己破産手続きをしても、持ち続けるとこともあります。
一方で、自己破産の原因が浪費である場合、その浪費の原因となったものを持ち続けるのはよくないのではないかとの価値観があります。
もちろん、価値がある財産であれば、破産管財人によって売却するのが原則です。
価値があるかどうかという視点以外に、免責するかどうかという観点からすると、たいした価値がない動産であっても、浪費で購入してるようなケースでは、それを手放し、破産者の手元に残されていない方が、免責に関する重要な事情になるのではないかというのが裁判所の指摘です。
そのようなケースでは、あまり価値がないような動産でも、処分することによって、免責が許可されやすくなるということになります。
自己破産手続きをする以上、借り入れで浪費購入した動産に関しては、処分することになると考えた方が良いかと思います。
20万円未満だから持っていられるはず、と安易に考えない方がよろしいかと。
この話は、当然ながら、冷蔵庫や洗濯機などの生活必需品には該当しない話です。
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