弁護士の香崎です。
オリンパスが、損失隠し問題で法的に責任があると認定した現旧役員19人に
対し、36億1000万円の損害賠償を求める訴訟を提起したことが、報道されま
した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120110-00000030-mai-soci
会社の役員(取締役等)に対しては、一定の要件が満たされれば、会社から損
害賠償請求することが可能です。
役員に対してはこの他にも、第三者から損害賠償請求が可能となることもあり、
会社が役員に対して責任追及をしない場合(馴れ合い状態等)は、株主が会社
に代わって責任追及することも可能です。
(それぞれ、会社法423条、同429条、同847条等)
第三者からの請求は、経営に何も関与せず名前だけだった取締役でも、その
責任を免れないとした例が多数あります。
それなりの報酬をもらっているとはいえ、役員の責任は重いです。それにしても、
今回の菊川前社長に対する請求額は、全額の36億1000万円です(他の役員
との連帯責任)。
私の月々の小遣いでこれを支払っていくことをシミュレートしたところ、1万5000年
かかることがわかりました。
長い道のりです。
とはいっても、この請求が認められるか、まだ分かりません。今後の審理を見守り
たいと思います。
ところで、オリンパスは2007年時点での内視鏡の世界シェアは70%だそうです。
私も年に1回、胃の内視鏡(オリンパス製だったと思います)にお世話になってい
ます。
オリンパスの従業員のみなさん、ごたごたに負けず今後も頑張って下さい。
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