訴訟係属と時効中断効

弁護士のTwitterを見ていますと、東京では裁判の期日が中々入らないようです。
新件の期日は入れていない、とか、尋問は早くて12月などのツイートが見つかります。
そんなツイートを見ていたところ、時効との関係が気になったのでまとめてみました。

訴状送達までは訴訟が継続していない

通常であれば、期日の調整後、訴状と共に期日呼出状が送達されます。
初回期日が入らないということは、訴状の送達がされていないのではないでしょうか。
そうすると、「訴訟係属は,訴状が被告に送達されることによって生じる」(伊藤眞『民事訴訟法』)ため、訴訟係属も生じていないことになります。

しかし、時効は中断する

では、訴状が送達されるまで時効期間が進行するかというと、訴えの提起(訴状提出)によって完成猶予(時効中断)の効果が生じます。
そのため、訴状が送達されない間に時効となってしまうことは生じません。
とはいえ、被告の立場からすれば、完成猶予(時効中断)を一定期間知らされないことにもなりかねません。
時効が完成したと思っていたところ、後に訴状が届いたという事例は、ある程度発生しそうです。

 

弁護士 坂本 学

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