空き家の活用と定期建物賃貸借契約

弁護士の石井です。

先日、『空き家急増の真実』という本を読みました。

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ
空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ 米山 秀隆

日本経済新聞出版社 2012-06-02
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日本では空き家が急増しているとのこと(タイトルのままですね)。

2008年の日本全国の空き家率は約13パーセント。
今の構造からいくと、2050年には居住地域の2割が無居住化してしまうとのこと。

空き家が放置され、なかなか活用されていないという問題です。

本書では、その原因の一つに借地借家法を挙げています。

「定期借家契約の認知度が現在でもあまり高くなく、いったん貸すと借家人の権利が強く保護され、返還を求めることが困難になるという賃貸借の悪いイメージが残っていることも、空き家所有者の消極的な姿勢に関係していると考えられる。」

一般の借家契約ですと、賃貸借契約期間が終わっても、正当な事由がないと明渡をしてもらえず、立退料を払ったりしなければならなくなることがあります。

そういうイメージがついてしまっているため、なかなか空き家といっても、第三者に貸しにくい。
だから空き家のまま放置されてしまうのだということ。

このような一般の借家契約以外に、定期借家契約という契約があります。

これは、決められた期間が経過すると、賃貸借は終了し、更新がない契約です。
更新がないことが前提ですので、正当な事由などがなくても賃貸借契約は終了します。
明渡をしてもらえないという不安を解消するために作られた制度ですが、まだまだ認知されていないようです。
不動産業者であれば知っているものの、個人で空き家を持っている人などは知らないことも多いです。

このような定期借家契約をする場合には、

・ 書面で契約すること
・ 事前説明書を渡すこと

が必要になります。

これを忘れると、更新されちゃう契約になりますので注意してください。

また、契約期間が終わる一定期間前に、「もうすぐ終わりです」という通知を出す必要もあります。

契約書、事前説明書の作成、終了通知の発送管理など、当事務所でも対応しています。
空き家を活用したい人はお気軽にご相談ください。

ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

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