脱税に加担する合意を公序良俗違反で無効とした裁判例

弁護士石井です。

AさんとBさんが合意しました。

2人の間の話なので、2人ともが合意しているなら、法律がどうこう言うシーンではないと思います。

しかし、法律では、2人が合意していても、その合意が無効になるケースがあります。

そのうちの一つが、公序良俗違反

社会的にまずいでしょう、という場合、合意が無効になります。

たとえば、愛人契約とか、犯罪するという契約などです。

一度、「10年間、1000万円で愛人になる」という合意をしても、それは無効であり、強制できません。

このように合意内容が極端な場合に、公序良俗違反による無効という話が出てきます。

なかには、脱税に加担する合意を無効とした裁判例もあります。

東京地裁昭和49年6月10日判決では、不動産の売買契約のうち代金に関する一部の特約が

「本来法の定めるところに従って負担しなければならない諸税の納付を免れることに加担する特約であると認めるのが相当である。そうすると、右特約は、公の秩序に反し、無効であるといわなければならない」

として無効としています。

税金を減らそうとして、契約書上、代金をいろいろと操作したわけですね。

自分たちが納得していればいいじゃないか、と言っても、のちに無効化されてしまうリスクがあるのです。

合意が無効になるんじゃないか・・・と不安な方は、あらかじめ法的なチェックをしておいた方が無難ですね。

厚木の弁護士事務所-厚木の弁護士

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