遺留分請求の期限が過ぎてしまった場合の対応

弁護士石井です。

相続で最低限もらえる遺留分。
この請求をするには、これを侵害するような遺言などを知ってから1年が期限です。

気づいたら1年が過ぎてしまっていた!

という場合。

どんな期限にも当てはまることですが、そのときやらなければならないことは、
冷静になって、その期限までに、

それっぽいことを言ってないかな?

と必死に思い出すことです。

それっぽいことを言っていた場合、開き直って

「あれって、遺留分の請求だよ」

と言い切ると通る場合があります。

裁判上、色々なところに出てくる、「黙示の意思表示」

黙っているのに、言ったことになる
という不思議な表現です。

これは、ハッキリ言ってないけど、その人がとった行動からすれば、
遺留分の請求をするんだ、という意思が認められるよね

というものです。

全財産を一人の相続人に相続させるという遺言があり、その相続人が自分がすべて相続することを前提に、
遺産分割協議書を作ってハンコをもらおうとしたら、拒絶された。

この拒絶って、遺留分の請求も含んでいる

と認めた裁判例もあります(京都地裁昭和60年4月30日判決)。

このように、黙示の意思表示と認められる材料を探すことが大事です。

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