弁護士石井琢磨です。
解雇無効と健康保険の話。
会社から解雇され、これを無効だと争う場合、健康保険が問題になることがあります。
会社は解雇を有効と考えている
↓
健康保険は終わり
↓
被保険者資格の喪失届を出す
↓
それまでの健康保険証が使えなくなる
という問題。
行政通達では、解雇が無効だと争われている場合でも、会社から資格喪失届が出された場合には受理することとなっています。
ただ、その後、裁判所などが解雇を無効だと認めた場合には、さかのぼって資格喪失の処理を取り消すことになります。
その間に自費で診療を受けた費用などは払われることとなりますが、保険料も徴収されます。
後に精算されるとしても、裁判所の判断が出るまで自費で治療費を立て替えるのが難しい場合には、
・任意継続被保険者になる
・国民健康保険
・家族の健康保険の被扶養者になる
あたりが考えられます。
いずれの場合も、解雇無効だという判断がされた場合には、国民健康保険や家族の健康保険との間で精算されることになります。
Q&A実務家が知っておくべき社会保障―働く人・離婚する人・高齢者のために | |
佐々木 育子 天野 高志 大矢 さよ子 山本 宏子 小久保 哲郎 赤石 千衣子
日本加除出版 2014-06-19 |
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