弁護士石井です。
競争が厳しい業界では、競業会社から信用毀損行為を受けることが増えます。
自由競争の枠を超えた誹謗中傷行為には、損害賠償請求が可能です。
大阪地方裁判所平成8年1月23日判決(判例タイムズ914号192)では、
ある会社が民事裁判で和解をし、和解金を支払ったところ、
同業者から、悪質な会社、詐欺的商法をしていると代理店等に伝えられた事案において、
同業者に対して、信用毀損、営業妨害行為として損害賠償を命じています。
裁判で和解をするというのは、別に非を認めたものでもありませんし、悪いことでもありません。
企業活動においては、徹底的に争えば全面勝訴も可能だが、費用、時間等のコストを考えて、和解で対応するという判断も重要です。
これを悪質だと流されてはたまりません。
判決の結果は妥当でしょう。
企業活動では、くだらない足の引っ張り合いをせずに、健全な競争をしてもらいたいものです。
今はネットワーク化が進み、虚偽の情報でも一気に流通してしまいます。
タイミングを誤ると企業活動に致命的にもなりかねません。
信用毀損行為を受けたら、早期に芽を摘んでおく必要があると考えます。
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