弁護士石井です。
大掃除前の片付けで、弁護士会から送られてくる『自由と正義』という冊子を見ていたら、懲戒処分の欄に、
「打ち合わせの場において、複数回にわたりビールを飲みながら対応した」
というケースが紹介されていました。
それ以外の事も、懲戒処分の理由には挙げられていましたが、あえて独立した項目で、ビールを飲んでいたことが取り上げられていました。
そうか。
ビールを飲みながら打ち合わせをしてはいけないのか。
いや、もちろん、私はしませんよ。
アルコールが入ると、翌朝まで脳の回転が鈍るので、論理が細かい書面の作成や証人尋問、書籍の原稿チェックなどの前にはアルコールを避けます。
事務所の弁護士が相談室でビール飲んで打ち合わせでも始めた日には、とてつもないペナルティを与えるでしょう。
ただ、弁護士会が懲戒処分として、取り上げるほどの内容なのか、疑問もあります。
弁護士は個人事業だったり、誰かの事業する事務所に所属しているわけです。顧客対応は、基本的には、その事務所のルールに従うべきではないでしょうか。
個人事業でやっている弁護士なら、ある程度の自由があるのではないかと思うのです。アルコールが入った方が仕事がはかどるという人もいるし、難しい事件ではアイデアがひらめくかもしれない。
昔、弁護士バーを作って、酒を飲みながら相談、みたいな話もありましたよね。『あしたのジョー』のコーチも酒を飲みながら指導してたと思います。
あしたのジョー(1)
個人のスタイルとの境界線があいまいになってしまうのではないかと。
依頼者にも、弁護士を選ぶ権利があるので、酒を飲んで打ち合わせをしていれば、多くの顧客から見放される可能性が高いでしょう。そういう自由競争の中で淘汰されるべき問題で、弁護士会に強制されるものでもないと思うんですけどね。
もちろん、弁護士法には、品位を失うべき非行はしちゃだめって書いてあるので、ボクシングのコーチと同じわけにはいかないんでしょうけど、この抽象的な規定に、打ち合わせ時のアルコールも含まれると断言してしまっていいのでしょうかね。
14年前の修習中に、昼からワインを飲んでいた弁護士の話を聞いたことがありますが、あれはセーフなのかなぁ。
繰り返しますが、相模川法律事務所では、打ち合わせ中にビールは飲みませんので、アルコールの臭いが苦手な方もご安心ください。
コメント