弁護士が事務所で罰金制度つくったら懲戒された

罰金懲戒 ニュース

弁護士石井です。

珍しい弁護士懲戒事由を見ました。

弁護士が、事務所内で罰金制度を作り、働いている弁護士に適用したら、品位を失うとして戒告の懲戒処分を受けたそうです。

懲戒事由の詳細

今回の懲戒事例の概要は以下のとおりです。自由と正義2025年6月号。

被懲戒者は、2015年11月に被懲戒者の法律事務所に入所した弁護士である懲戒請求者との間で、提出書面の誤字又は脱字1文字当たり500円やクライアントとのメールの送信先に被懲戒者をCC又はBCCで加えることを懈怠した場合に5000円といったように上記事象等を罰金の対象とした罰金制度を2021年6月24日から導入し、同日から同年12月27日までの約半年間にわたり合計656万6000円の罰金を懲戒請求者から収受した。

えっ!?半年で656万円!?

そんなに稼げる方法があったとは!これなら弁護士5人で年収3000万円じゃー

なんて考えを持った経営弁護士の方は、品位を失っているといえるでしょう。

罰金制度の具体的内容

罰金制度の内容を整理してみましょう。

文書作成関連

  • 誤字・脱字:1文字当たり500円

連絡・報告関連

  • メール送信時のCC・BCC漏れ:1回当たり5000円

その他にも、きっと複雑怪奇なルールがあったのかもしれません。

金額の規模から見える問題の深刻さ

普通の働いている側からすれば、パワハラだ、罰金払ったら最低時給下回る、下手したらマイナスになる、などと品位を失った弁護士に対しての声を上げたくなるでしょう。

しかし、ちょっと気になりますね。

656万6000円という金額ですよ。高すぎますよ。

実際に適用して、受け取ったと認定されているので問題ではあるのですが、高すぎるということは、どういうことでしょうか。

誤字・脱字が1文字500円だとすると、仮にこのミスだけで656万円になったとすると、文字だけで1万3000文字分以上のミスがあったことになります。

メールのCC・BCC漏れの5000円だけだとしても、1300回以上のミスということになります。

実際には両方の組み合わせでしょうから、この回数より減るのでしょうか、それにしても、ミスも多すぎじゃないですか?

罰金制度が導入された2021年6月時点で、すでに5年以上の経験を持つ弁護士だったということで、経営者目線では、背景も気になります。

ミスを減らす方法

私もメールやブログとかで誤入力などの単純ミスをしてしまうことがあるので、人のことはいえませんが、ここまでミスを問題視するなら、どちらもミス回避の仕組みづくりに全力を尽くすべきだったんじゃないですかね。

「提出書面の誤字」というのが、どこに提出したものかにもよりますが、裁判所に出す書面だとすると、内容によっては依頼者に不利益にもなりますしね。

ビジネス書では、このテーマの本は山ほどありますし、今ならAIにサクッと聞けば色々提案してくれます。以下は、Claude様のご提案。

誤字・脱字を防ぐ方法

  1. 段階的チェック体制

作成直後:一度全体を通読
時間を置いてから:別の視点で再チェック
声に出して読む:音読による確認
印刷して確認:画面と紙では見え方が異なる

  1. ツールの活用

Word等の校正機能を活用
音声読み上げソフトでの確認
フォントを変更しての最終チェック

  1. チェックリストの作成

固有名詞(会社名、人名、地名)
数字(金額、日付、時間)
敬語の使い方
専門用語の表記

BCC漏れを防ぐ方法

  1. メール送信の手順化

宛先入力を最後に行う
送信前の一時停止機能を活用
送信前確認画面での必須チェック

  1. Outlookの設定活用

送信遅延機能(1分後送信等)の設定
送信前確認ダイアログの表示設定
BCCに自分のアドレスを入れる習慣

  1. テンプレート化

よく使う送信先パターンをテンプレート保存
CCとBCCのルールを明文化
送信前チェック項目をメモ欄に記載

システム的な対策

  1. メールソフトの設定

送信取り消し機能の活用(Gmail等)
重要メールの送信確認設定
外部宛メールの警告表示設定

  1. 共有フォルダでの文書管理

下書き段階での共有とチェック
バージョン管理による変更履歴の確認
複数人でのレビュー体制

  1. 業務フローの改善

重要文書は必ず第三者チェック
時間に余裕を持ったスケジュール
ミス発生時の原因分析と改善策の共有

心理的・環境的な要因への対策

  1. 作業環境の整備

集中できる時間帯での重要作業
適切な照明と画面設定
疲労時の重要作業の回避

  1. 業務負荷の調整

現実的なスケジュール設定
優先順位の明確化
適切な休憩の確保

  1. 継続的な改善

ミスのパターン分析
個人の傾向に応じた対策
定期的な手順の見直し

AIの提案では罰金制度は出てこないですね。

今回の事例から学ぶべき教訓

公告されている理由要旨だけからの感想ですので、的外れだったらすみません。

まあ、罰金制度もミスの量も問題な気がしますよ。

経営者弁護士は、私よりも年上なのですが、ミスはしなかったんでしょうかね。

私自身は、誤記ミスは、以前よりも増えてしまったなぁと感じています。原因は、目と、音声入力ですね。

全体として作成する文章量が10倍になって、誤記が2倍になったみたいな感じです。

全体のアウトプットは増えているが、誤記も絶対数では増えてしまっています。もちろん、相手に送る文書や裁判書類はしっかりチェックするのですが、外部からスマホで送るメールとか、所内の連絡とか、家族のLINEとかは、罰金になってもおかしくないこともあります。

あとは、まあ、AIの画像とか誤字だけど、あえて気にせず出していたりします。そのうち、AIの進化の記録になるんじゃないかと思ったりしています。

多額の罰金をとられないようにがんばります。

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