弁護士石井です。
『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』という本に、アメリカでの学生ローンの問題が取り上げられていました。
アメリカでの格差に関する諸問題の論文が載っている本です。
そのなかで、「学生ローンとアメリカンドリームの失墜」という論文があります。
学生ローンも貧富の格差が生じる一因になっているとのこと。
世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠 | |
ジョセフ・E・スティグリッツ 峯村利哉
徳間書店 2015-05-29 |
アメリカでは、学生ローンを組んで、大学に行く→良い企業に就職し、返済
という構図が崩れてしまっているそう。
教育と、将来の収入が結びつかないわけですね。
高い学費をローンを組んで払って大学に行っても、借金だけが残るという状態が続いているのだとか。
日本でも似たような問題は出ています。
学生ローンじゃなくても、奨学金という名の借金があります。
もらえる奨学金じゃなくて、返す奨学金ですね。
こちらの取立が厳しいと数年前に問題にされていました。
はたして、借金してまで「大学」や「専門学校」での教育を受ける意味があるのでしょうか。そこから疑問を持った方が良いかもしれません。
自分を振り返ると、大学での教育はほとんど意味がなかったですね。真面目にやってなかったこともあり。
ただ、大学という環境には大いに意味があったと思います。
さて、これからの時代では?
なお、『世界に分断と対立を撒き散らす経済の罠』によると、教育関連のローンはほとんどの場合、破産をしても減免されないのだそうです。
ここが日本と大きく違うところですね。
日本の場合は、奨学金そのものを返せなかったり、他の借金に切り替わって破産をし、免責されている人が相当数います。
日本の方が、再チャレンジできる機会があるってことですね。
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