弁護士石井です。
最近の過払い金の相談は、時効に関するものが多いです。
最終返済から10年経っているが、カードの会費は支払っているとか、約定債務は残っているとか。
過払い金の時効は、取引終了から10年とされていますが、この取引終了の時期は、解釈によって変わります。
よって、裁判例でも判断が分かれます。
借主側の請求を認めた裁判例として、
福井地裁平成27年12月24日判決(消費者法ニュース108号)
があります。
アコムが相手です。
最終支払いから10年以上が経過。
ただ、最終支払い時に、約定残高234円が残っていた。
カードは返さず所持、受任通知発送まで有効だった。
基本契約の自動更新はされていた。
約定利率の変更もされていた。
このような事実があることを前提にして、判決では、
「最終支払後にも、234円の約定残高があったと認められるから、原被告間の清算は、本件最終支払により完了したとはいい難い。」
等として、取引終了から10年は経っていないと判断しました。
最終取引から10年経っているものの、業者の設定した約定利率での計算だと残債務がある、というケースでは参考になる裁判例かと思います。
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