弁護士石井です。
『年金だけでも暮らせます』という本を読みました。
20代でも老後不安を抱えている人が多いですよね。
年金だけで暮らせるなら安心、なのですが、まあ、タイトルは釣りっぽいところもあり、いろんな要件を満たした上でなら年金だけで暮らせるという内容でした。
著者の方がこの本で伝えたいのは、年金だけで暮らせる、ということではなく、
老後不安に煽られてお金を失うな、という点にあると解釈しました。
メディアでは、老後資金として3000万円必要だと言われるそうです。
そして、銀行とか郵便局とかの窓口では、老後資金対策として投資すべき、と投資信託に誘導していることが多いとか。
そういえば、仕事で銀行や郵便局の窓口に行くことも多いですが、投資信託の説明をよく耳にします。
ところが、おそろしいことに、2018年3月時点で、 銀行で投資信託を購入した人の46%が損をしているとのことです。
投資信託に限らず、相手が売ってくるものは、相手に利益があるもの、と考えましょうね。
手数料とか取られるしね。
そういうものに手を出さないために、年金で暮らせると主張しているのです。
年金で暮らせるための条件
ただ、実際に、年金だけで暮らせるとなると、いくつかの条件が必要です。
夫婦2人の年金がある →熟年離婚とかしない
厚生年金
節約をする
定年時に退職金など相当額があること
いま、厚生年金だと、平均で夫婦で月額20万円くらいだとか。
節約すれば、これで暮らせるという話です。
持ち家などで住居費がかからなければ生活できそうですね。
ただ、今後、年金は破綻はしないけど、もらえる金額は減るので、月15~18万円程度で生活できるようにしておきましょうとのことです。
国民年金だと、もともとこの額に足りないので、他でフォローする必要が出てきます。
本の中では、各種の節約術も書かれています。
まあ、気になる人は読んでみてください。
大きいところでは、よく言われますが、保険の見直し。
生命保険は、遺族年金があるから、教育費のフォロー程度に考えておけば良いとのこと。
子1人につき1000万円程度の金額に加入しておけばよいのではないかとの提案です。
知っておきたい年金制度
あとは、年金をしっかりもらうには、年金を払おうと。
とくに国民年金は給料から天引きではないので、支払を怠りがち。
収入が低い人は、保険料の免除制度を使っておいたり、猶予制度を使ったりしましょう。
意外とと忘れられがちなものとして企業年金も取り上げられていました。
特に、結婚退職していて姓が変わっている女性は、もらい忘れている事が多いそうです。
成年後見人などで高齢の女性の方の財産管理をしたりすることも多いですが、企業年金が入ってきて生活が何とかなっているという人も多いです。
企業年金の確認先なども本の中では触れられています。
介護費用の見込額
また、老後資金のうち、介護費用がどれだけかかるかという点でも不安を煽られることは多いようです。
一人3000万円が必要という話をされたりすることが多いそうですが、実際に介護の負担をした人に聞いてみると大体1人550万円くらいで何とかなっているとか。介護保険制度により、思ったほどはかからないと紹介されています。
ここも煽られて、投資信託にお金を使ってしまうポイントになりそうですので、数字をチェックしておきましょう。
まとめ
そもそも、投資にはリスクがあり、それを少なくするためには、長い期間で見なければならないと言われます。
退職金を投資で増やそうというのは、期間の視点からしても、微妙かと。
投資するなら、元本割れリスクを受け入れたうえで、時間視点、手数料視点を忘れないようにしましょう。
もちろん、元本保証の高配当商品なんていわれて全額騙し取られてしまう人もいますので、こちらはもっと気をつけないといけません。
投資で老後資金を、と考えている人は、まず年金制度と収支、現実を見直し、どれだけのリスクをとるか考えていきましょう。
コメント