アイフルから弁護士宛に内容証明が届く

弁護士石井です。

アイフルから、依頼者代理人宛ではなく、私個人宛に内容証明が届きました。

北海道の弁護士が事件を放置したことで懲戒を受けた例を紹介し、
うちの事務所でも、利息制限法所定の利率で計算しても債務が残る事件について、
放置している可能性を疑い、

債務者の意向、方針、
債務者と連絡をとった日及びその内容（時系列ごとにすべて）
任意整理の場合には和解案
破産または民事再生申立予定であれば予定日、申立日が未定であればその理由
を回答するよう求める文書です。

具体的に誰の件かは明記せず。７日以内に回答せよとのこと。

どの依頼者のことなのか不明なので、特定したうえで照会するよう、即日回答しておきました。

私の主任事件で心当たりがある人といえば・・・

たしかに数年間動いていない事件があります。

これは、利息制限法で計算をする際、
過払い利息を付けて計算をすると、数百円の過払い。
過払い利息を付けないと２万円弱の債務が残る、というもの。

こちらとアイフル側の言い分が全く違い、ゼロ和解の提案も拒否されているため、
依頼者との打ち合わせで放置するしかない、と決定したものです。

比較的、少額の過払い金でも裁判を起こすうちの事務所でも、数百円では、費用倒れになる。
どう考えても依頼者にメリットがありません。

アイフル側からすれば、これが「債務が残る事件」と言いたいのか、不明であるため、
こちらからは依頼者の特定を求めています。

ただ、アイフルの照会事項の中には、事件の相手方当事者として
どう考えても答えられないものも含まれていますよね。
事件の相手方に対して、打ち合わせ回数やその内容を時系列で教えるなんてことはあり得ないでしょう。

アイフル側に過払い金に対する処理についての会議内容の照会を求めたら、教えてくれるのでしょうか？
ぜひ聞いてみたいですね。
どんな会議によって、争う余地がなさそうな事件でも全件控訴という方針が決定されたのか。
全部京都に移送申立してしまえ、となったのか。

依頼者が特定されたうえで進捗確認があれば回答するのはもちろんですし、
実際に事件を放置していたのでは大問題です。

私が事件を放置して懲戒請求を受けないように、わざわざ内容証明で注意してくれるアイフルという会社は、なんと親切なのでしょう。
そりゃあ、株価も上がりますよね。

その親切心で、ぜひ過払い利息を認めて、７日以内に数百円の過払い金を返してくれると助かります。

アイフルに対して、過払い金の請求を考えている皆様、現在、過払い利息を含めて全額を回収しようと考えた場合には、控訴審の判決まで時間がかかることが多いです。