弁護士石井です。
売掛金回収方法を考える際、直接請求、訴訟、という正面からの方法のみを考えがちですが、実は違うルートもあるのではないかという本。
建築関係で、下請業者が工事代金を回収できない場合に、建設業法を使ってみようという提案です。
建設業法はどちらかと言うと、「こういうことしちゃだめよ」:と取り締まっている法律です。
これを使ってみようという方法。
たとえば、不当なやり直し工事を求められ、下請代金が払われない場合、建設業法19条2項では、追加変更請負契約書の作成義務を認めています。
そこで、この義務違反だと、役所に対し、文書で「建設業法違反により公正取引委員会へ措置請求をしてください」と申立てをするという方法です。
私たちのイメージとして、正面からの請求よりも役所を動かす方が大変というものがあります。
しかし、「不当かどうか」という実質面よりも、「契約書作っていない」という形式面の方が簡単に判断されるのは確かですね。
選択肢の一つとして押さえておこうと思います。
建設業法による下請代金回収の理論・実務と書式 | |
田中 彰寿
民事法研究会 2011-03 |
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