お久しぶりです。
事務スタッフ、black dogです
朝から寒さが身に染みる、初春の今日この頃です
あらゆるメディアがトップで取り上げている『袴田事件』。
昭和41年に起こった事件なので、若い世代の方は知らない方が多いと思います。
約50年前に殺人の罪で逮捕された袴田さんは、無罪を主張したそうですが、やがて死刑の判決を受け、それから約半世紀、拘束されたまま今日まで時間が過ぎました。
冤罪の可能性があるとして、この事件を日弁連が支援、弁護団の先生方は証拠の衣類をねつ造と考え、再審請求(2次)をした
そうです。
本当ならこの状況に異を唱えたかった元裁判官の記事も掲載されていました。
1審・静岡地裁で死刑の判決文を書いた元裁判官、熊本典道氏
は
”真っすぐに裁判長を見据えて受け答えする袴田死刑囚の様子や、任意性に乏しい供述調書などを通じ、「有罪認定は難しい」と思っていた。だが、結審後に判決文を検討する中で、結果的に先輩判事に押し切られた”
権力と圧力と組織と・・・、事実を明らかにすることを阻むものは、言葉にできないほど強固に存在するのだと感じて苦しくなります。
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『ショーシャンクの空に』という映画があり、内容は無実の罪で投獄されるエリートサラリーマン;アンディーの話です。
(法律家の先生がご覧になられると、突っ込みどころが多々ある内容なので、ここではあまり触れないこととします)
その中で、アンディーと親しい初老の囚人が、数十年の時を経て、釈放されることになるのですが、ほぼ刑務所に守られて生きてきた老人にしてみれば、老いてから外の世界に出されることは拷問でしかありません。
泣く泣く出所していくのですが、その世界は孤独で・・・というシーンがあります。
映画に登場する老人に関しては、罪を犯して投獄されたので、確かに償いは必要だったと思いますが、いささか長いのでは、と感じたりしました。
(私には、十分更生しているように見えたんだなー)
更に、これが冤罪の場合だったら・・・と考えると、当人だけでなく、周りの家族だったり、力になろうと努力している人の胸中、いかばかりかと思います。
袴田さんは、78歳のおじいちゃん
人生を奪われ、きっと今も、何が何なのか、本当はよくわからないくらい、気持ちが混濁していると思います。
法の世界で、一度出た決定が覆ることの難しさや、こういったケースが非常に稀であること、重たい現実も悲しいですが、この事件の行く末を見守らなければいけないと強く思った一件でした。
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