皆さん、こんばんは
事務スタッフ、black dogです
イブに、相模川法律事務所の田中弁護士から拝借した、『昭和16年夏の敗戦』に
ついて書いてみたいと思います
冬ですが、何かということで
著者は都知事に就任した猪瀬直樹氏です。
作者は敗戦の翌年の生まれ
日米間の開戦直前に、総力戦研究所なる組織では、「奇襲攻撃で好成績を収めても、
やがては敗戦に至る」というシュミレーション結果を得ていたという、
実話に基づいたお話が描かれています
負けるよ、と分かっていて、何で戦争になってしまったか。
そのひとつの答えが示されています。
著者は、幼少時テレビで見た豊かなアメリカ、そんな大国に、
なぜ日本は宣戦布告したのか不思議でならなかったそうです
もともとアメリカは、日本の極秘電文を全て解読していたしていたそうで、
やがて日本は参戦してくるだろうと読んで、更には日本の窮地を知り尽くした
上で計画的に石油政策を突きつけていたのだそうです
シュミレーションもしていたし、石油備蓄量やこれから捻出できそうな石油量を
数字にして提示しているのですが、この数字、開戦ムードに合わせるように
捻出されたようにしか考えられない数字だったようです
今だからこんなに冷静に書いていられますが、二・二六事件などがあり、
戦時中だった頃のことです。
数字やムード、日本的思考など様々な視点に言及した本ですが、
考えさせられる1冊でした
さて、空気に押されて事に及んだ状況を、証拠によって説明すること、
どこかで目にする光景だと感じたのですが、弁護士の先生たちが
日夜挑んでいることです
生活に困ってお金を借り、一度は返したものの、また借りるようになり
多重債務に陥った、
はじめは誰かの役にたてると思ったり、サンプルをくれる、お金をもらえる
みたいだから登録したら
自分がお金を巻き上げられていた・・・
冷静になれば他の方法があったはずなのに、気づいたはずなのに、
そうなってしまったことには理由があり、彼らの背中を押していたのが
何となくの空気感であったなら、その空気の正体を具体的に提示することを、
先生たちは行っています
多重債務、自己破産等の場合であれば、リストラにあい、同時期に家族と
別居することになりお金が必要だった、自分の買い物癖を断てず
そのまま病気になり、生活費を借金で賄ったなど、
裁判所に申し立てるためには、現実に存在する(していた)証拠が必要で、
事実(借金であれば、その計算書etc)と共に申し立てます
タイトルに「敗戦」とあったので、田中先生は歴史小説が好きなのかなと
思ったのですが、最後まで読んでみて、先生の意図がわかった気がしました
難しい本でしたが、勉強になりました
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明朝、寒いみたいです。
あたたかくしましょうね
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