弁護士石井です。
2025年、多重債務者、自己破産も増えているという報道がありました。


金融庁が調査開始とのことです。
自己破産申立件数の増加
司法統計では、2024年の個人の自己破産申立件数は約7万6000件に達し、2012年以来の高い水準となりました。 さらに2025年に入ってもこの傾向は続き、前年を上回るペースで増加している様子。
かつて多重債務者が社会問題化した2003年には約24万件でピークに達していましたが、近年は減少傾向にありました。それがここに来て、再び増加に転じています。
日本弁護士連合会の調査によると、自己破産理由で最も多いのはやはり「生活苦・低所得」で約60%。 次いで「病気・医療費」、「失業・転職」と続きます。
30代から50代の働き盛り層が約70%を占めていますが、高齢層の申立も増えているのが現状です。
多重債務者147万人
金融庁の調査によると、3件以上の業者から借金する「多重債務者」が、2025年3月末時点で147万人に急増したとのこと。
最近10年で最も少なかった2021年と比べると、3割近く増えている数字だそうです。
ここには「総量規制のすり抜け」の問題も指摘されています。 複数の貸金業者にほぼ同時に申し込むことで、信用情報機関(CICなど)に借入情報が反映される前に借りてしまうという手口が横行している疑いがあるようです。
実質賃金の低下と物価高
記事では、やはり経済状況の変化が原因とされています。
物価上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が続いています。 名目賃金が上がったとしても、物価上昇で実質賃金がマイナス、生活に余裕がなくなり、返済負担が重くなります。
実質賃金は1990年代からほぼ横ばいかマイナスで推移しており、「収入はそれほど増えていないのに日々の生活費だけがどんどん上がっていく」という厳しい現実に直面している人が多いのではないでしょうか。
食料品の値上げがすごいですからね。
とはいえ、会社側に余力がないことも多いです。副業しようとしたら、詐欺に遭って逆にマイナスって人もいますしね。
何年か前に、AIでインフレ時に起きることをまとめてもらったのですが、まさに、このようなことが書かれておりました。
スマホ完結と若年層の借金
消費者金融の貸付残高も増加を続けています。 2025年2月の消費者向け無担保貸付残高は、前年同月比5%増の4兆4526億円。
最近は、スマートフォンで手続きが完結するため、借金に対する抵抗感が薄れているという指摘もあります。
特に若年層の間でこの傾向が見られ、100万円~300万円未満といった、以前なら破産に至らなかったような金額でも、生活費の高騰と相まって返済不能になるケースが散見されます。
裁判所の運用への影響(神奈川)
自己破産などの事件数の増加は、裁判所の運用にも影響を及ぼしています。
神奈川県でも自己破産の審査に時間がかかるケースが増えてきました。 過去にもリーマンショック後など、事件増加で裁判所の人員不足が起き、同じような状態になっていました。
今年も増加している影響で、手続きの進行が遅れがちになっているのかもしれません。
弁護士の間でも、「最近、進行が遅い気がする」という声をよく聞くようになりました。
管財事件(費用と時間がかかる手続き)に振られるケースが増える可能性もありますね。
インフレと生活苦による借金問題は、個人の努力だけではどうにもならない段階に来ていることも多いです。 「返済のために借りる」という自転車操業になる前に、早めに専門家に相談することをお勧めします。




コメント