携帯電話の履歴はどこまで調べられるか

弁護士石井です。

携帯電話の履歴がらみの問題で、会社が従業員の携帯電話の履歴を調べることがあります。

従業員が不正をしてしまったときなどに問題になります。

どこまで許されるのでしょうか。

この場合にも、従業員が

・会社名義の電話を使っている

・自分名義の電話を使っている

の2パターンがあります。

今回は主に前者を取り上げます。

会社名義の電話を使っている

この場合、会社名義の電話なんだから、どこまで調べても問題ないだろうと考えたら、間違いです。

従業員のプライバシーの問題が出てきます。

就業規則やガイドライン

「なにかあったときには調査する」
ことが前提とされていたかどうか。

これをまずチェックする必要があります。

就業規則やガイドライン、貸与時の同意書などで調査前提にされていると、調査できる範囲は広くなります。

ない場合には、無制限に調査すると、プライバシーを主張されるリスクが高くなります。

メール

パソコンのメールよりもプライバシー性は高まります。

事前に「メールも調査される」ことが前提とされていたかどうかがポイントとなります。

発着信履歴

携帯電話の機種に残っている発着信履歴の調査は、プライバシー性が弱いです。
調査の必要性が認められれば、許されることが多いでしょう。

発着信履歴について、会社名義の携帯電話の場合には、携帯電話会社に開示を求めることもできます。

ただ、着信履歴については、携帯電話会社が「通信の秘密」として契約者にも開示をしない運用です。

GPS情報

最近の携帯電話には、GPS機能がついていることから、従業員がどこにいたのか調査することもできてしまいます。
勤務時間内の情報は調査しても許されることが多いですが、勤務時間外の調査の場合には、プライバシー性が高まります。
よほどの必要性がないと難しいでしょう。

個人所有の携帯電話の調査

以上は、会社が契約している場合の調査です。

契約者が会社ですから、比較的調査が可能です。

これに対して、従業員個人が契約している電話の場合には、同意なく調査をするのは難しいです。

調査の必要がある場合には、同意を引き出すことが必要です。

従業員を心理戦で動かせるかどうかがポイントになるでしょう。

参考文献

プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法

まとめ

以上から、会社として、いざというときに従業員の携帯電話まで調査しなければならない事態を想定する場合には、

・会社名義での携帯電話を貸与
・その電話ではプライベートな利用を禁止
・メール、GPS、通話履歴など調査することがあると周知し、同意を得ておく

という体制をとっておいた方が無難です。

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