弁護士石井です。
たまに相談がある、外国人との離婚。
しかも、相手が行方不明。
『弁護士が悩む家族に関する法律相談』という本の事例で、流れをまとめておきます。
フィリピン人の妻と結婚、子2人と日本で生活。
その後、妻が子2人を連れて家を出て、音信不通。
準拠法
法の適用に関する通則法27条で、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人なので、日本法の適用。
親権に関する準拠法
このケースでは、長男は日本とフィリピンの二重国籍、長女は日本国籍。
通則法38条で、いずれも日本法の適用。
妻の所在調査
妻と音信不通と言っても、国内か海外かの調査は必要。
法務省入国管理局で出入国記録を取り寄せ。
→出国記録が最後。
長男・長女の住民票調査。
→日本にあるが、空き家。
国際裁判管轄
日本でも婚姻届出がされており、夫婦生活の大半は日本。
生活の本拠は日本と認定。
日本の国際裁判管轄が認められるべき。
調停前置主義
相手が行方不明ゆえ、最初から離婚の訴え。
訴状の送達
外国にいる被告の住所が不明である場合も公示送達が可能。
ただし、6週間。
相手がフィリピンでも行方不明ということだと、こういう流れで判決が取れるのですね。
実例 弁護士が悩む家族に関する法律相談―専門弁護士による実践的解決のノウハウ | |
第一東京弁護士会法律相談運営委員会
日本加除出版 2013-03 |
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