弁護士石井です。
法律問題に直面したとき、自分自身で解決することは難しいことがあります。そんなときに頼れるのが、法律相談です。
しかし、初めて法律相談を受ける人は手続きや費用、契約の注意点など、様々な不安があるかもしれません。
そこで、この記事では、法律相談に関する基本的な情報や、よくある質問に答え、皆さんの不安を解消するための情報を提供します。
法律相談って何?
法律相談とは、弁護士などの法律専門家に自分自身が抱える法律問題について相談することです。
法律相談の目的は、自分の権利や義務を知り、適切な解決方法を探すことといえるでしょう。
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法律相談は、日常生活で起こるさまざまなトラブルや困難に対処するために必要なサービスです。
弁護士は専門家として、法律の知識や経験を持っています。
弁護士に相談することで、自分の立場や選択肢が法律的にどうなのかを明確にし、最善の行動を取りやすくなります。
法律は社会のルールなので、自分の問題がそのルールでどのように扱われるのか知っておくことは重要です。
多くの相談者が法律相談を利用する場合、
・法律の正しい情報を知りたい
・自分の場合にどうなるのか知りたい
という2段階があります。
法律の情報については、法律自体の条文や裁判例で知ることができます。ただ、それ自体が難解ですし、古かったり間違えた情報が出回っていることもあるので正しい情報を得たいということで法律相談に来る人も多いです。
正しい情報を知ったとして、自分の場合にどうなるのか知りたいという相談も多いです。情報はあるけれど、それが自分に適用されるのか、当てはめの問題での相談です。
例えば、借金問題で悩んでいる人が弁護士に相談した場合、弁護士は債務整理の方法や手続きを説明し、自己破産や任意整理などの適切な選択肢を提案します。また、債権者と交渉したり、各種手続を裁判所に申し立てたりする代理人としても活動します。
弁護士に依頼したいという場合でも、通常は、法律相談を受けることになります。
それは、あなた自身の問題に対して、法的にどうなのかを検討する必要があるからです。
依頼内容が法律的に成り立たないのであれば、依頼したいと言われても、法的には難しいという回答になってしまうのです。
弁護士に法律相談するメリット
弁護士に相談するメリットとしては、法律知識が豊富で、適切なアドバイスを受けることができること、また、法律問題の解決に向けた専門的なサポートが受けられることが挙げられます。
決められたルールの中で、最善の選択肢を探しやすくなる点でしょう。
離婚問題に関する法律相談で、相手の提示が妥当なのかという相談があります。法的には、もっと多く請求できるのに、それを知らないために低い金額を前提に交渉してしまっていることもあります。
このような場合、自分に権利があるのだという情報を知るだけでメリットになるでしょう。
保険会社相手の交通事故相談などでも同じです。持っている情報格差があるときには、法律相談は有効に働きやすいです。
法律相談により早期に問題を解決できる可能性が高まる点もメリットとなります。
法律問題は一人で抱え込んでも解決しません。むしろ、放置すればするほど、状況は悪化し、被害が拡大したり、時効が成立したりする恐れがある分野もあります。
そこで、早期に弁護士に法律相談をすることで、自分の立場や権利を正しく把握し、最適な対応策を教えてもらい実行することができます。
これらの手続は、弁護士に依頼することで、自分で行うよりもスムーズかつ効果的に進められます。
また、人によっては、精神的な安心感が得られるという点もメリットとなります。
相談することで、自分の問題点を整理できるので、それだけで気持ちが落ち着くこともあります。また、法的にどうなのか情報を知ることで安心感を得られることも多いようです。
一人では解決できない悩みや不安を共有することで精神的な支えになるという声もあります。
弁護士に法律相談するデメリット
一方、デメリットとしては、
費用がかかること、
法律問題についてのアドバイスを受けた後でも、法律相談だけでは解決せず、その後に、何らかの対応をする必要があることが多い点です。
法律相談の回答としては、法的にどうなのか、どのように進めれば解決に近づくのかという情報をもらえることになります。しかし、法律相談と、裁判手続の依頼などは別です。手続自体を使う場合には、それらの負担が発生します。
「法律相談だけで解決しますか?」と事前に質問されることがありますが、回答は「あなた次第」となってしまいます。
情報をもらうことが解決ならば、相談だけで解決になるでしょうし、手続をしてもらいたいという目的だと、相談だけでは解決しないことになります。
法的にどうなのかを知って安心したい、という人の場合には、相談だけで解決することが多いです。
法律相談はオンラインや電話で行う法律相談の場合には、情報が十分に伝わらないというデメリットもあります。
メール相談の場合、テキストでは伝えにくい部分や、声のトーンや表情などのノンバーバルコミュニケーションが欠けてしまいます。
前提となる情報が十分に伝わらないと、問題をどこまで解決できるか不安な部分もあります。
法律相談の対象者と対応分野
法律相談の対象者は誰でも可能です。
ただし、法律相談ができる場所によっては、利用者が制限されていることがあります。
市役所での法律相談などでは、その地域に居住している人だけが対象とされていることもあります。
法律相談の対応分野は多岐にわたりますが、主なものは借金、離婚、家事、損害賠償、貸金請求、交通事故、不動産、相続、刑事事件などです。
こちらも、法律相談を実施している機関、法律事務所によって異なります。
法律相談ではさまざまな分野について専門的かつ具体的なアドバイスを受けることができますが、弁護士はそれぞれ自分の得意な分野や経験豊富な分野を持っているので、あまり多くない紛争の場合には、相談の申込み時点で対応可能な分野かは確認した方が良いでしょう。
法律相談の流れ
法律相談の流れは、相談の申込み、実際の法律相談、相談内容の確認、解決策の提案となります。
その後、何らかの手続を弁護士に依頼する場合には、費用等の説明、委任締結、手続きの進行、問題解決までのステップに分かれるでしょう。
一般的な法律相談では、弁護士や法律事務所を訪れ、相談内容や背景を伝えます。
その際、相談内容の確認が弁護士からされます。
多くの場合、相談時に、何らかの回答がされますが、複雑な事案の場合には必要な情報や資料の収集をして再相談ということもあります。
その後、弁護士が相談内容に基づいて、解決策を提案します。
何らかの手続の依頼希望がある場合には、費用の説明や契約締結という流れになり、手続きを進行していくことになります。
例えば、離婚問題についての法律相談を行った場合、初回相談では離婚の原因や希望する解決策を相談、法的な解決策、現実的な解決策を提示します。
離婚相談の場合、法律的にどのような結論になりそうかという情報提供を受けて、自分で配偶者を話を進める人も多いです。相談者によっては、夫婦間ですでに話がついているので、離婚の協議書、合意書の内容をチェックしてほしいという相談もあります。
自分で進められないので、交渉や調停を依頼したいという結論になることもあります。
交渉の依頼があった場合には、弁護士は相手方の離婚に対する意向や財産状況を調査し、適切な解決策を提案することになるでしょう。
法律相談の方法
法律相談では、弁護士と面談しての対面相談のほか、電話相談やメール相談などに対応している相談場所・弁護士もあります。
ジン法律事務所弁護士法人では、電話相談には応じていませんが、ZOOMを利用したオンライン相談には対応しています。簡単なご質問であれば、メールやLINEで回答できることもあります。
面談以外の対応については、弁護士によって大きく違います。
対面相談は、弁護士と直接会って話し合うことができ、相談内容によっては現物を確認できるため、解決策を見つけやすいとされています。
一方、電話相談は、場所を選ばずに相談することができるので、利用しやすいとはされます。ただ、情報がうまく伝わらず、正確な回答がされるか怪しいことも多いでしょう。
メール相談は、やり取りが文書で残るため、弁護士からの回答を見返したりするには便利でしょう。
ただ、前提となる事実をしっかり伝えないと回答が不十分なこともあります。
法律相談では、関係資料を見ながらその法的な解釈を伝えるということもあります。
メールやZOOMであれば、事前にこれらのファイルをやりとりすることもできますが、電話の場合には、書面自体のやりとりが難しいこともあり、複雑な法律相談には向いていないと考えています。
法律相談の種類には、対面相談のほか電話相談、メール相談、オンライン相談などの種類があります。それぞれの種類によって、利用しやすさや解決率などが異なります。自分自身の都合や相談内容に応じて、最適な相談方法を選択することが重要です。
法律相談にかかる費用
法律相談の料金については弁護士によって違います。
法律相談にかかる料金は、相談内容や相談先によって異なるのです。
ジン法律事務所弁護士法人では、債務整理などの一部の相談は無料相談、その他の相談は有料相談としています。平日か、土日祝日か、弁護士の指名があるかによっても料金は変えています。
一般事件について初回無料相談も実施していません。
イベント的に無料相談会を実施している時期もありますが、最近は忙しく対応できていません。
無料相談や初回相談無料希望の場合には、そのようなサービスに対応しているところを探しましょう。
簡単な質問であれば自治体が運営する法律相談窓口などでは、相談料金が無料であることが多いのでチェックしてみましょう。
無料相談にこだわるかどうかは、ご自身が問題解決にどこまでコストをかけられるかという問題でしょう。
法律相談でよくある不満
弁護士との意見の食い違いが不満で、複数の法律事務所の法律相談を受けている人もいます。
相談者と弁護士の解釈が異なり、意見が対立してしまうケースです。
どうしても自分の意見と違うと信じたくないという気持ちもわかるのですが、複数の専門家から同じ解釈が出されているのであれば、法律的な結論としては、その回答が正しい可能性が高いです。
弁護士の意見について納得できない場合に、セカンドオピニオンとして違う弁護士に法律相談をすることは有効なこともありますが、3,4箇所の相談を受けても同じ回答ならば、それ以上の相談を受けてもなかなか難しいことが多いです。
弁護士との契約の注意点
弁護士に法律相談後、何らかの手続を依頼する委任契約を締結する際には、契約内容を把握することが重要です。
特に、依頼対象となっている手続が何なのか、費用の金額や支払い方法、契約期間を事前に確認するようにしましょう。
法律相談をするときの注意点
法律相談をするときの注意点は、
「最終的にどうしたいかを考えておく」
「トラブルの内容を時系列でまとめる」
「証拠や資料をそろえる」
「費用や時間について明確に聞く」などです。
法律相談は限られた時間内で行われることが多いため、事前に準備しておくことが大切です。
まず、自分が抱えている法律問題に対して、最終的にどういった結果を得たいか、希望があるならそれを明確にしておくことが有効です。
その希望が法律的に認められる可能性があるものなのか、その場合の手順などを聞くことができます。
弁護士に自分の意思や目的を伝えることで適切なアドバイスや解決策をもらえやすくなるのです。
その前提として、トラブルの内容を時系列でまとめておくことや、必要な証拠や資料をそろえておくことも重要です。
法律的な結論を出すためには、その前提となる事実関係がどのようなものかを知らなければなりません。事実関係は時系列や資料によって変わるので、これらを正確に伝えることで、問題の本質や解決方法を見極めやすくなります。
法律相談で解決できる問題とできない問題
法律相談で解決できる問題とできない問題があります。
弁護士に相談するべきかどうかの判断基準は、問題の性質や法律の専門知識が必要かどうか、解決方法が明確かどうか、自分だけで解決できる可能性があるかどうかなどを考慮することが大切です。
解決方法が明確でなかったり、事態が複雑であったり、交渉が難しい場合には、法律相談で問題点を整理すると有効でしょう。
法律相談の口コミ
ありがたいクチコミをいただいていました。
まとめ
初めて法律相談を受ける際、戸惑ってしまう人も多いでしょう。
ただ、限られた時間で有効な回答をもらうためには、相談前に、時系列の整理や必要な資料を用意しておくことが有効といえます。相談時には自分自身の要望や思いを明確に伝え、冷静に問題に向き合うことが大切です。
緊張して伝えられなさそうなので、と紙に整理して書いてくる人も多いです。
そのほうが、法律相談の時間短縮にはなるので、コスパを考える人は、事前準備をしておくと良いでしょう。
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