成年年齢引下げから3年目、18歳・19歳の消費者トラブル

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弁護士石井です。

国民生活センターから2024年度の18歳・19歳の消費者トラブルの状況が発表されました。

18歳・19歳の消費生活相談の状況−2024年度−(発表情報)_国民生活センター

成年年齢引下げから3年が経過し、若年層の消費者被害の実態が明らかになってきています。

2024年度の相談件数と傾向

2024年度に寄せられた契約当事者が18歳、19歳の相談件数は8,962件となっており、2020年度以降は年間8,000~11,000件台で推移しています。

件数自体は、そこまで増えているわけではないようです。もっと狙われまくるのかと思っていました。

注目すべきは、相談の内容の変化。

従来多かった「脱毛エステ」や「賃貸アパート」のトラブルに加え、「他の内職・副業」に関する相談が上位に入ってきており、簡単にもうかるとの広告をきっかけとする転売ビジネスやアフィリエイト内職の契約トラブルが増加しています。

成人になりたての若者(20~24歳)の消費者生活相談件数は、未成年(18・19歳)に比べて約1.5倍という統計もあり、18歳で成年になることの影響が顕著に現れています。

若者が稼ぎたいって思ってることですね。

主要なトラブル類型と変化

「美」と「金」のトラブルが中心

商品・役務等別でみると、2021年度に比べて20歳代の相談の特徴としてみられる「美(び)」(「脱毛エステ」「医療サービス」など)と「金(かね)」(「他の内職・副業」など)に関する相談が18歳・19歳でも多く寄せられている状況です。

美容関連では、脱毛エステの通い放題プランでの高額契約や、美容医療の勧誘で不安を煽るセールスが目立ちます。SNS広告から誘導されるケースも多く、インフルエンサーの体験談を信じて契約してしまう若者が後を絶ちません。

一方、副業・投資関連では「簡単に稼げる」という謳い文句の情報商材販売や暗号資産投資の勧誘が横行しています。

学生で問題なのは、マルチ商法的な仕組みを持つ副業案件で、友人を勧誘することで報酬を得るという仕組みに学生が巻き込まれるケースですかね。

ただ、ここ2年のデータではマルチ取引の形態での相談は少なく、圧倒的に多いのが通信販売ですね。まあ、ネット広告でしょう。

被害金額の高額化

気をつけるべきは、被害金額の高額化です。

18歳・19歳でもクレジットカードの作成や消費者金融の利用が可能になったことと無関係ではないでしょう。

若者でも、副業関連では数十万円、投資関連では数百万円の被害も珍しくありません。

相談ジャンルで上位にある脱毛エステとか美容医療も、多くの場合ローン前提でしょうしね。

若者から債務整理や自己破産の相談を受けると、詐欺を含む変な取引に引っかかっていることが多いですね。

SNSを起点とした新たな手口

ネット通販・定期購入が圧倒的に多い手口。

誇大な広告のほか”SNSきっかけ”トラブルでネット購入が考えられます。

そういえば、有名人なりすまし広告もなくなりませんね。

InstagramやTikTokで投資系広告や「簡単に稼げる」を謳う副業広告、美容系インフルエンサーを騙った広告が頻繁に表示されます。これらの広告は巧妙に作られており、一見すると本物と見分けがつかないレベルです。AI時代で加速しています。

未成年者取消権の喪失が招く深刻化

2022年4月の成年年齢引下げにより、18歳から「未成年者取消権」が使えなくなりました。

これまでは、親の同意なしに契約した場合には取り消しができましたが、18歳になると完全に大人として扱われます。このため、契約の取消しが困難になり、クーリングオフ期間を過ぎると救済手段が限定的になってしまいます。業者側も「成年なので有効な契約」と強く主張してくるため、交渉も一筋縄ではいきません。

18歳を迎えていると未成年者取消権は適用されず、消費者トラブルの被害回復が難しいという現実があります。

18歳って高校生ですからね。同じクラスに成年と未成年が混在し、悪質なマルチ商法の被害が校内に広がる可能性もあります。大学より高校のほうが狭い空間のためネットワークが強そうですね。

効果的な予防策

契約前のチェックポイント

契約前には必ず相手方の確認を行うことが重要です。

なりすましとか架空とかは少なくともチェック。

事業者の実在性や所在地、連絡先の確認はもちろん、行政処分歴についても調査しておくべきでしょう。

次に、契約内容についても、解約条件の確認や追加費用の有無、成果の保証内容について詳しく確認する必要があります。

支払方法についても慎重な検討が必要です。一括前払いは避け、クレジットカードでの分割払いも慎重に判断し、借金をしての支払いは絶対に避けるべきです。

周囲のサポート体制

親や保護者の役割も重要。18歳になっても相談しやすい関係作りを心がけ、契約前の相談を促しましょう。

昔は、保証人にはなるなって言われましたが、今は、借金するな、ですかね。借金・ローン、収入以上の大きい支出をするときだけは相談しろと言っておきたいですね。

まとめ

成年年齢引下げから3年が経過し、18歳・19歳の消費者トラブルも出てますので、若者のみなさまは気をつけて。

AIなりすまし、友人も騙されているかもしれない、借金してまで高い契約するなら一度親にも相談してみてください。

用心棒弁護士、真剣を持ち出し、銃刀法違反となる。

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