弁護士石井です。
非常識な行動をしていると、親権が喪失されてしまうケースがあります。
名古屋高裁決定平成17年3月25日のケースです。
児童・障害者相談センター長が、母から子に対する身体的逆害の可能性があるとして、児童福祉施設に入所させる措置をとった事件。
これに対して、母親は、抗議や苦情を繰り返す。
また、施設側からの親権変更を回避しようと、養子縁組もしてしまう。
このような母親に対して、裁判所は、
「親権の行使の在り方には、自省ないし再検討を促されて然るべき点があるにことは明らかである。それにもかかわらず、Yらが自らの問題点をまったく自省・認識することなく、むしろ児童福祉施設等に対する相当性を欠いた抗議行動等に発展・終始してきたこと等本件の経緯に照らすと」「子の福祉のためにこれらの行動に及んでいるわけではなく、子に対する虐待を行ったとされたことに憤慨して、親権の行使に名を借りた抗議や苦情を繰り返しているのみであり、その態度や程度も、社会的に相当な範囲を超えている」
等として、親権の濫用として、親権の喪失が認められています。
非常識かどうかは裁判所が決めます。
裁判所は、刑事手続でもそうですが、反省していない人には厳しいです。
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