弁護士石井です。
過払い金を含む借金問題でよく受ける質問に、ブラックリストに載るのか、載るとしてどのくらいの長さの期間、載ることになるのか、というものがあります。
ブラックリストという名のものはなく、消費者金融、クレジット会社、銀行等が加入する信用情報機関に、事故情報として登録されることが、ブラックリスト扱いされています。
大手の信用情報機関として、
JICC
CIC
全国銀行個人信用情報センター
があります。
各機関のサイトに、事故情報の取扱が書かれていますので、詳しくはそちらをチェックすれば良いことになります。
現在の情報では、
●延滞情報
JICC
→延滞情報については延滞継続中、延滞解消の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間
CIC
→契約期間中および取引終了後5年間
全国銀行個人信用情報センター
→契約期間中および契約終了日(完済していない場合は完済日)から5年を超えない期間
●債務整理
JICC
→当該事実の発生日から5年を超えない期間
CIC
→債務整理を依頼した事実に関するコメントは登録されません。CICに登録される信用情報は、消費者と当社の加盟会員であるクレジット会社等とのクレジット やローン取引に係わる申込内容や契約内容、支払状況などの客観的事実に限ります。また、CICに登録される信用情報には過払い金返還請求や、弁護士等が介 入した旨をコメントするような登録項目はありません。
http://www.cic.co.jp/qa/registration.html
●破産・個人再生等
JICC
→当該事実の発生日から5年を超えない期間
CIC
→当社では、官報情報(官報に公告された内容を表す情報)は平成21年4月1日より収集・保有を中止しており、現在保有いたしておりません。
また、当社で保有するクレジット情報の保有期間は、契約中および契約終了から5年間です。したがいまして、破産の場合は免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点ということになります。
全国銀行個人信用情報センター
→官報情報として、破産手続開始決定等を受けた日から10年を超えない期間
と記載されています。
全国銀行個人信用情報センターの官報情報のような客観的情報以外は、CICの説明にもあるように、会員会社からの申告により成り立っています。
そのため、5年と言っても、いつから5年なのかは、いつ申告があるかによってずれが生じることになります。
文献の中には、これを理由に「5~7年」というアバウトな表現しかできないと書かれているものもあります。
いま、信用情報機関に登録されている場合、その情報を開示請求し、いつから載っているのかを確認できれば、あとは客観的な期間の問題なので、消える時期がわかることになります。
また、信用情報期間に登録されているということと、「また借金ができるようになる」ことは必ずしもつながりません。
実務上は、事故情報が登録されている人に貸す業者もいれば、ホワイトな人に貸さない業者もいるからです。
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