弁護士石井です。
当事務所では、なぜか最近、
アペンタクルから時効期間が過ぎた後に貸金の訴訟を起こされた
という相談を受けることが続いています。
旧ワイドの会社ですね。
貸金業者の中には、そもそも時効期間が過ぎないように期間内に裁判を起こしてくるところもあれば、時効になっても放置するところもあります。
本来、時効期間が過ぎた後に裁判をするのは、時効だと主張されれば請求は認められないわけで、営利企業としては合理性がない行動です(管理コストがかかりすぎ回収できないと判断するなら放置、どうせ管理コストをかけるならそもそも時効にならないように訴訟提起するのが合理的なはず)。
時効期間が過ぎた後でも裁判を起こしてくる理由は、被告とされた相手が何も反論をしないと、原告の言い分を認めたことになり、請求どおりの判決が出されてしまうからです。
裁判所は勝手に「時効だから棄却」とはしてくれません。
裁判所からの訴状が届いた際に、時効だという答弁書を出しておく必要があるのです。
主張しないと敗訴判決が出ます。
裁判を放置し、原告の言い分どおりの判決が出されてしまうと、給料などが差押えされてしまうリスクもあります。
ちょっと話を変えます。
いまは、貸金業者が裁判を起こすとき、契約上は高い利息の取り決めがされていても、利息制限法の利率で計算をしていることが多いです。
過払い利息とかグレーゾーン金利の精算ですね。
ところが、はるか昔は、貸金業者が堂々と利息制限法違反の請求をしてきて、反論しないとそれが通ってしまう時代もありました。消費者側の弁護士が、利息制限法の主張をし続け、いつしか裁判官から貸金業者に対して、利息制限法での計算を出すよう求めるように変わっていきました。
強行法規かどうかというポイントはありますが、貸金業者からの明らかに時効期間が過ぎている訴えは、同じように何とかすべきと感じます。
現状は、放置できる状態ではありませんので、裁判を起こされたら、しっかり対応しないといけません。
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