クレジットカードの不正使用

消費者法ニュース 消費者問題

弁護士石井です。

クレジットカードの第三者不正使用の裁判例紹介です。

東京地裁平成28年9月2日判決、

消費者法ニュース110号で紹介されていた判決です。

消費者法ニュース

利用した店舗による不正使用が疑われるケースで、消費者の責任を否定したものです。

事案は次のとおり。

飲食店で約6万円のカード使用。
12時間後に、カード会社から電話があり、6万円と58万円の2件の支払について心当たりを尋ねられる。
後者は心当たりがないという回答。

しかし、カード会社から消費者に対して、58万円分の支払督促申立がされたというものです。

支払督促に対して異議の申立をし、通常訴訟へ移行。

訴訟では、クレジットカードの会員規約上の「カード紛失・盗難その他の事由」による免責が認められるかどうかが争われました。

この点について、裁判所は、この免責条項は「カードの紛失や盗難に起因する場合に限らず、会員の意思に反してカードが不正に使用された場合についても適用されると解するのが相当である」とし、本件では、飲食店にカードを提示して返却されるまでの間に、第三者によって不正使用され売上処理がされたものとみとめるのが相当としました。これにより、免責条項に基づき免責されるので、58万円を払う義務はないと結論づけたものです。本件では、担当弁護士から、売上伝票の金額の齟齬などから売上処理が不正であったことが明白だと報告がされています。

怪しい飲食店によるカード不正利用の被害相談もよくありますので、チェックしておきましょう。

厚木の弁護士事務所 相模川法律事務所

t02200131_0222013212770131653

コメント

タイトルとURLをコピーしました