不貞と配偶者の自白

家庭の法と裁判 民事

弁護士石井です。

家庭の法と裁判11号で、不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析特集がされていました。

家庭の法と裁判

そのなかで、配偶者の自白が論点として取り上げられていました。

配偶者の自白は有力な証拠となりますが、注目すべきは、配偶者の自白があるにもかかわらず、
不貞行為を認定しなかった裁判例が13件中7件あるという点です。
13件というのは調査期間における不貞行為の認定を否定した裁判例の母数。
すなわち、否定裁判例のうち過半数のケースで配偶者は自白していたということです。

配偶者が「不貞をした」と自白していても、そのとおり認定されない裁判例がかなりあるということです。

よくあるケースでは、夫が請求者。妻の不貞が発覚。妻が自白。
そこで、夫が不貞相手の男性に請求。
しかし、不貞相手とされた男性は不貞を否定。
そこで、裁判となる。
という流れです。

妻が認めてるんだから、不貞は認定されるでしょう、と甘く考えてはダメということ。

一般的に、こういうケースでは、妻が後から撤回したり、責められたからその場を収めるために認めたとか、認めれば離婚できると思ったからとか言いがちです。

否定した裁判例の中では、客観的証拠がない、抽象的な自白で曖昧、などという理由で、配偶者の自白は信用できないとしています。

配偶者が自白していても、メールや写真などの証拠確保や、不貞行為を具体化して書面化するなどの対策が必要といえるでしょう。

厚木の弁護士事務所 相模川法律事務所

t02200131_0222013212770131653

コメント

タイトルとURLをコピーしました