弁護士石井琢磨です。
今日は『世界基準の交渉術』という本の話です。
『世界基準の交渉術』は薮中さんという方が著者。
外務省で外務事務次官などをされていた方とのことです。
こういう人が語る交渉術なので、グローバルな話ですね。
国と国との交渉とかそういうもの。
交渉に関する話としては112ページくらいまでで、それ以降はグローバル人材に関する話でした。
国家間とか企業間の交渉の場合、ロジックがメインになります。
交渉のフォーマットについて、『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』では、3ステップを紹介しています。
感情面をフォロー
ロジックで交渉
再度、感情面のフォロー
というステップです。
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国家間とか企業間の交渉本を読む際には、ロジック部分の補強ができれば、と思って読みます。
『世界基準の交渉術』で使えそうなポイントをいくつか紹介していきます。
まず、日本人は、しつこく何度も主張することが大事だそうです。
北朝鮮の交渉者と比べると、日本人にはしつこさが足りないらしい。
同じ主張を繰り返すこと自体は悪くなく、むしろ一貫性があると見られることも。
ゆずれない一線は絶対に死守
交渉前に最低限のラインを決めておきましょうという話。
基本的に100対0のような解決はありえない。
交渉は相手があってのものなので、100対0で相手が応じるわけありません。
なにか相手にもメリットがないとだめという話です。
著者の感覚では、60%くらいなら良い結果だとのことです。
相手が提案をしてきたときに拒絶だけしない。
ダメですって言う事だけで終わらせないで、代わりにこちらからカウンターでオファーを出す。提案する。他の選択肢を出す。
そうしないと交渉が止まってしまうので。
数字やファクトを出す。
曖昧な話ではなく、客観的なデータ等で詰めるということですね。
ロジック部分以外でも、役立ちそうな話がありました。
みんなでカラオケをしたら急に交渉が進展した。
インドネシア人と交渉の際にカラオケをしたら、スムーズに行ったらしいです。
共同作業ですね。
交渉の第1ステップです。
カラオケボックスに行って仕事だけして帰ってきたことを少し反省しました。
インドネシア人と交渉する機会に備えて練習しておけばよかったです。
失言に注意。
まとまりそうなときに失言でダメになってしまうこともあります。
日米間の交渉で、アメリカから買うものなんてない、なんて趣旨の発言をして怒らせて問題化したケースが紹介されています。
最後まで余計なことを言わないように。
本の後半は、グローバル人材の話とか書かれています。
読書が大事だとされていて、
分厚い本でも最初の20ページと最後の20ページを読めば大事なことわかるとのこと。
で、この本の最初と最後の20ページには、交渉のことは書かれていませんでした。
タイトルに「交渉術」とあるのに!
ここ、たぶんツッコミ待ちでしょう。
グローバルな交渉術をおさえておきたい人はチェックしてみてください。
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