タダで物を貸す際に意識すべきポイント

弁護士石井です。

ただで物を貸した場合、いつ返してもらえるか、という問題があります。

「ただで貸したんだから、いつでも返してもらえる」

と思ったら、大間違いです。

民法上、ただで物を貸すのは、使用貸借契約。

返してもらえる時期について、3点を意識しましょう。

1 返す時期を約束していた場合

その時期が来たら返すように請求できます。

2 目的どおり使い終わった、十分な期間がすぎた

返す時期を約束していなかった場合、「何のために貸したのか?」という目的が重視されます。

その目的どおりに使い終えたのであれば、返しなさいとされています。

例えば、「工事の期間中だけタダで貸した」というケースでは、工事が終了したなら目的どおり使い終わったといえますし、ふつうであれば工事が終わるくらいの期間が過ぎているなら、これも返すよう請求ができます。

3 なんにも決めていない場合はいつでも

貸す際に、返す時期も目的も決めていない場合には、いつでも返せと請求できます。

ただで物を貸すというのは、身内のあいだで行われやすいものです。

契約書などいちいち作ってられるか!

という声はよく聞きますが、身内がずっと身内とは限りません。

結婚、離婚、相続、養子縁組、いろいろなシーンで身内以外の人が「借り手」という当事者になったりします。

いろいろと想定したうえで、リスクを減らしておいてくださいね。

厚木の弁護士事務所-厚木の弁護士

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