『多重債務社員救済Q&A』の間違い

多重債務社員救済Q&A: 多重債務社員の発生予防と救済のための

多重債務社員救済Q&A: 多重債務社員の発生予防と救済のための

弁護士石井です。

『多重債務社員救済Q&A』という本を読みました。

社員の多重債務なんて救済している場合ではない、と会社は思うでしょう。
しかし、多重債務問題に負われている方々は、「仕事どころではない」という頭になっている可能性があります。
借金を理由に退職してしまうこともあります。
相談を受けていて、なんともったいない、と感じることも多いです。
そんな社員の悩みを解消し、仕事に集中力を向けてもらえるなら良いではありませんか。

本内には、
債権者から社員あてに取立の電話がかかってくる場合、懲戒できるか?
というありがちな問題から
社員が取立に負われて失踪した場合、自殺した場合など
ディープな問題まで取り上げられています。

会社宛に取立の電話がかかってきた場合には目を通しておくのが良いでしょう。

しかし、本書には誤記もあります。
調査が不十分と言わざるを得ない箇所です。

多重債務の相談場所として、法テラスの次に、弁護士会を取り上げてくれています。

その箇所を引用。

「全国の各都道府県には,必ず1つの単位弁護士会があり,場合によっては同じ都道府県内に支部を有している場合もあります(神奈川県の場合,横浜に横浜弁護士会があり,川崎や小田原には川崎支部や小田原支部があります)。」

なぜか神奈川県が例として上げられているのですが、現在、小田原支部という名称の支部はありません。
その昔、そんな名前だった時代もありましたが、政治的な、大人の事情により、現在は「県西支部」という名称になっています。
弁護士会のホームページを見れば明らかです。
http://www.yokoben.or.jp/profile/gaiyou/location/

まあ、この点は、昔のデータを調べてしまった、という話で、当事者以外は文句も言わないでしょう。

しかし、続く記載が問題。

「弁護士会が行う法律相談は,原則として有料で,30分5,000円(税抜き)程度となっています。ただし,東京の弁護士会では,多重債務に関する相談に関しては専門相談所を設け,相談料も無料としています。」

例としてあげられていた、神奈川県でも随分まえから専門相談があって無料だった気がしますが、気のせいでしょうか?
これも弁護士会のホームページを見ればわかる問題なのでは・・・

続いて、このような記載があります。

「弁護士会は,原則として法律相談は有料ですが,司法書士会は原則として無料です。」

何も考えずに読んでいくと、誤解を受けかねない内容となっています。

巻末の相談先も、データが古いようで、神奈川県内でも一部の相談センターのみ取り上げられていました。

読む場合には、相談先の記載については注意して読んでくださいね。

ご相談は相模川法律事務所ホームページへ

借金相談は無料です)

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