Chat with any PDFのレビュー(PDF読み込みAI)

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弁護士石井です。

ChatGPTによる文書の要約はなかなかのもの。

ただ、現状では、大量のデータがインプットできないのが弱点です。

そこをクリアできないか、複数のコミュニティに入って、探っています。

あるコミュニティで教えてもらった、大量のPDFファイルを読み込める「Chat with any PDF」は魅力的。課金すれば、本1冊のPDFも読み込み、要約などをチャット形式で聞ける仕組みのようです。

Chat with any PDFの認識力

ただ、現状では、数ページの論文でも文書の理解が不十分でした。

ネット上に出ていた破産法に関する裁判例解説の論文を読ませたところ、イマイチな回答。

言語モデルが古いのか、元の論文の章タイトルを抜き出してくるくらいしかできなさそうな感じ。

事件当事者も分からず、PDFファイルの何ページを見てと言ってくるだけ。ひょっとすると、大量データのPDFを読ませて、正確なキーワードがわからない曖昧な検索というシーンでは役立つかも、という印象ですが、課金してもファイル量の上限が低いので、現状は保留としました。

テキスト選択してChatGPTの方がマシ

これに対し、ChatGPTなら事件当事者等も整理してくれます。

裁判所の決定文を要約させたものも悪くはない。

【決定の要旨】 この裁判では、相手方の破産手続きに関する問題について判断されました。裁判所は、債務者であるYが、債務を免れるために住宅ローンの支払を停止して破産を申し立てたことにより、抵当権を実行させ、Xに対する住宅ローンの支払い義務の債務不履行による損害賠償債務を破産債権として免責を得ようという不当な目的があったと判断しました。また、裁判所は、Yが支払停止の時点で支払不能の状態にはなかったこと、支払条件を調整すれば支払停止の必要がなかったこと、そして、弁済の方法に関する協議を行うことにより破産を回避することができたはずであることから、Yが支払を停止して破産の申立てをしたのは不当な目的があったと考えられると判断しました。最終的に、裁判所は、原決定を取り消し、相手方の破産手続開始の申立てを棄却する判決を下しました。

ChatGPTが優秀なだけなのか・・・

大量のPDFファイルを読み込めて、既存のデータベースと比較して情報を整理できるAIサービスを待っています。

Evernoteあたりがやってくれたら、最高なんですけどね。

再検証してもダメだった(2023.4.23)

このサービスが良いという人がネット上で結構いるので、ひょっとして改善したのかなーと再検証してみました。

PDF読み込めて、その内容でチャットができる仕組み自体は素晴らしいので、動いている言語モデルが改善されたなら、課金も検討対象になります。

今回は8ページのPDFを読み込ませました。

交通事故に関する資料で、1ページ目が挨拶、2ページ目以降に家事労働の損害に関するもの(専業主婦の逸失利益とか)、その後に中間利息控除の話題が含まれています。

重要話題(8ページ中、最も多くページが使われている話題)について、認識してくれません。1ページ目の話題のみ触れてきます。

表題、項目タイトルをぶつけても何も語ってくれません。

OCRした結果でも、被害者支援制度というキーワード自体がありません。おそらく認識している1ページ目の内容からの推測かと。

なんでこのサービスが高評価なのか疑問です。仕組みは素晴らしいのだけど、実際に高評価としている人はどういう使い方をしているのでしょうか・・・

PDFプラグインの方が優秀(2023.5.17追記)

ChatGPTのプラグインが有料会員に解放されました。

PDFの読み込みについては、そちらのプラグインに良いものがありましたので、こちらの方が使いやすそうです。

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