ザリガニ 仁義なき戦い

弁護士の香崎です。

最近、我が家ではザリガニを飼っています。子供と一緒に近所の水路で

採ってきたものです。

中には大きく立派なやつがいて、子供たちはそいつを「大将」と呼んでいま

した。2番目に大きいやつのことは、「将軍」と呼んでいました。外にも小さ

いのが数匹いました。

ところが、2日ほどの間に、「大将」が他の小さいやつらを次々と食べてし

まったのです。

ザリガニが共食いをすることは私には分かっていましたが、子供たちはが

っかりしていました。でも水槽が足りないので仕方ありません。

そして、3日ほど経ったころ、ついに「大将」が「将軍」を餌食にしてしまいま

した。この2匹は体格差はさほどなかったのですが、「将軍」が脱皮をして、

その脱皮直後の体の柔らかいところを襲われたのです。これまた子供達

には衝撃だったようです。

でも、自然界ではこんなものです。脱皮の時は捕食される危険が高まるの

です。

ああ、仁義なき戦い。

でも、生物界においては、他の生き物を殺すのは、それを食べ物にして、自

分の栄養にするためです。(もっとも、普通は自分と違う種を食べますが)

食べるためでもないのに同じ種の個体を殺すのは、ヒト以外では私は聞いた

ことがありません。ヒトは不思議な生き物です。

そのような、ヒト特有の事態が起こったとき、もちろんそれはいかなる理由が

あっても許される行為ではありませんが(※)、それがいかにやむを得ない事

情から生じたのかということなどを刑事裁判で主張していくのも、我々の仕

事の一つなのです。

(※)非常に厳格な要件の下で、いわゆる「安楽死」が正当化される可能性

があるだけでしょう。

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