仕事による病気 その2

弁護士の香崎です。

先週は、仕事により病気にかかる話を書きましたが、最近とにかくよく耳にする
のが、うつ病です。報道等でもよく取り上げられていますが、実際に私の周囲で
もこれに罹る人は珍しくありません。

法律的な面で、一つ事例を紹介すると、ある大企業でうつ病に罹った従業員が、
うつ病療養のため、有給休暇の消化→欠勤→休職→休職期間満了時に解雇 

という経過(この間、約3年)をたどった件で、会社に対し、解雇の無効確認と、

会社に安全配慮義務違反があること等を争った裁判例があります。

直接的には、まず労働基準法19条1項の

「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する

期間及びその後30日間・・(中略)・・は、解雇してはならない。」

の解釈が問題となりました。そして、裁判所は、本件のうつ病は業務上の疾病で
あって、解雇は無効と判断したのです。

(東京地裁平成20年4月22日判決)
詳細はここでは省きますが、この従業員の業務内容についてもとても細かく認定
されています。

また、今日の報道では、大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた26歳の女性
社員が、入社から2か月後に自殺したことについて、残業が月に100時間を超
えるなど過労が原因だったとして、神奈川労働局が、女性の死亡を労災と認定し
たということです。(但し、これは「うつ」とは出ていませんが。)

「和民」従業員女性の自殺に労災認定

法的手段に訴えたり、行政上の申請をすることにより、後から金銭的な補償を得
ることはしやすくなってきたように思います。しかし、心身の健康を損なうことは、

あとから金銭で100%埋め合わせることはできないと思います。相談できる人を

つくっておき、自分の身は自分で守ることを、意識しておかなければなりません。

弁護士の食いぶちはさておいて、こういう争いが生じないような労働環境が世の

中に増えることを願ってやみません。

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