弁護士石井です。
出会い系サイトでお金を騙し取られる人は多いです。
サクラサイトと呼ばれるものでも同じ。
スタッフのところにもメールが届いた
という記事がありました。
当然、メールやインターネット上のやりとりから始まり、現金を取られる、という構図なのですが、
これがなかなか裁判所に伝わりにくい。
実際に騙された人から手口を具体的に聞くのがイメージしやすいかもしれません。
消費者法ニュースという雑誌では、定期的に被害者が匿名で勧誘状況について説明する記事が載っています。
消費者法ニュース93号では、出会い系サイトでお金を払ってしまった人の証言が掲載されています。
この被害者は、そもそも出会い系サイトに登録したのも、
出会いたかったからではなく、
サンプルがもらえる、というメールに応募したことで勝手に複数のサイトに登録されてしまったそう。
そこからやりとりが始まり、メールの相手を紹介され、その相手からは、
「100万円をあげる。連絡先を交換しよう。振込先を教えて」と誘われる。
実際に会うためには、ポイントを購入し、イベントに参加しないといけない。
しかし、イベントに参加しても、要件を満たしていないと言われ、いつまでも連絡先を教えてもらえない。
具体的には、
メールが2分遅かった
写メールが不鮮明
送った電話番号にハイフンが入っていた
件名に「」(カギ括弧)が入っていなかった
などの不備により、連絡先を教えてもらえず、どんどんお金を払ってしまったというものでした。
こんなケチの付け方って・・・
厳しいルール(事前に説明がない可能性もありますね)を設定し、それに違反しているから、惜しくも連絡先を教えてもらえず、惜しくも100万円に届かず、という状態を繰り返す手法です。
「次こそは」「次こそは」と周りが見えなくなっている精神状態はギャンブルにも似ています。
ギャンブルで大金を失った人は、後から振り返ると「あのときは、どうかしていた」と言います。
この種の騙され続ける出会い系サイトも同じ精神状態のような気がします。
「こんなんでケチ付けられるのは、おかしいかも?」
という疑問を感じたら、その疑問と向き合う時間をもってくださいね。
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