弁護士石井です。
和解成立時に見落としがちなのが、税金の視点です。
お金を受け取ったはいいけど、予想外の税金がかかってしまう、というリスクがあります。
もちろん結果として課税されなかったというケースもありますが、理論上はどうなのか押さえておき、リスクを受け入れて和解をしておくべきでしょう。
裁判の当事者が法人なのか個人なのかで課税される内容は変わります。
たとえば、損害賠償債務として1000万円を支払う
という内容の和解が成立した場合
個人で心身に加えられた損害や突発的な事故により資産に加えられた損害の場合には、課税されません。
これに対して、法人が受け取る場合、損害賠償金は原則として益金となり、法人税が課税されることになるのです。
また、支払う方が法人の場合には、法人の所得の金額計算において、損金に算入されることになります。
つまり、法人が、その決算期に利益を出しているか損失を出しているかで、実際の負担額が大きく変わることになります。
この観点で和解が成立しやすくなる場合もあるでしょう。
税金リスク、そしてチャンスをお忘れなく。
和解・調停条項と課税リスク | |
馬渕 泰至 三木 義一
新日本法規出版 2013-09-09 |
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