平成23年2月9日の夜に考えていること

網で採ったものよりも、釣った魚の方が、味は良いという。

また、活かして持ち帰ったものよりも、適宜に締めた魚の方が、味に優ると聞く。

なぜか。

釣り上げてただちに締め、即死させることで、与えるストレスが少ないから、

というのが理由のようだ。

暴れて内出血を起こすと、身に血液の雑味も混じり、さらに味を落とす。

生かすことは常に良いとは限らない。

終わらせるということは、時として生かすことより多くの利益を生むことがある。

このように感じる場面は、他にもある。

例えば、うまく行かなくなった事業はどうだろうか。

業績回復の目処が立たない場合、次のような考えも十分成り立つ。

立て直しが困難なのに事業を続ければ、負債が増え、周囲に与える損害が大きくなる恐れがある。

ただちに法人破産を申し立て、事業を止めた方がよいのではないか。

 

破産すれば会社は消滅する。個人でも事業の継続は困難であろう。

まさに事業の幕引きである。大きな決断が必要である。

苦労を重ねて存続させるのと、どちらが良いのだろうか。

 

結論は状況次第。

しかし、事業をたたむことは多くのメリットを含む選択肢。

早い段階から検討するに値すると思う。

弁護士 田中

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