弁護士石井です。
2024年の読書数は、182冊でした。カウントしていない読書も含めると実質200冊くらいですかね。
2年前には年間500冊以上でしたが、移動が減ったり、情報収集先もメルマガ、note等に移ったこともあり、減っていました。
インプット量も減ってしまっているなぁという感じです。AIの影響か老化現象か。
読んだなかで良かった本を紹介しておきます。
「夢を叶えるために脳はある」 池谷 裕二
自己啓発っぽいタイトルですが、脳に関する書籍を多数出している 池谷 裕二大先生の本です。
そのなかでも外さない対談本の3部作最終作とのこと。
脳に関する本はけっこう押さえていましたが、新情報もあって驚きでした。
3日間の講義を再編集したものだそうですが、1日分で200ページなので、本3冊分くらいのページ数です。
私の生きているうちに攻殻機動隊の世界が来そうです。
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●視覚情報の処理
目から入った視覚情報は、信号として脳の該当部位に到達し処理される
この脳の信号を第三者が解析できれば、その人の経験を再現できる可能性がある
信号をコントロールできれば視覚を乗っ取ることもできそう。
●場所細胞の発見
脳には「場所細胞」が存在し、自身の位置を認識している
この認識は視覚情報とは独立して機能する
場所、移動、移動距離などの情報を、視覚以外の方法で処理しているということ
脳刺激の点からも移動は大事っぽい。この場所細胞情報が把握されたら、居場所がわかってしまう?
●脳信号とコントロール
個人の反応や思考も脳信号によってコントロールできる可能性がある
脳信号は理論的には他者と共有することも可能とされている
感情コントロールでは二の矢と言われる話(湧いた感情をどう処理するか)が脳科学の点から裏付けられた?
やる気とかも脳信号をコントロールできれば調節できてしまう。
●身体認識の拡張
道具を使用する職業では、その道具が身体の一部として認識される現象が報告されている
6本目の指を作る研究なども行われている
自分の身体の認識も脳の把握の問題、身体は着せ替え可能。
生物は宇宙を老化させるために生きているなどの大きなスケールの議論もあり、SF小説である三体3下巻みたいな読後感でした。
「3つの世界」 山口揚平
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ベンチャーや中小企業経営者は大変だと思う。雇用もビジネスも家族も、守るものが多すぎる。あきらめよう。パラダイムは変わる。古い事業ならば、手放してしまおう
日本の課題は少子高齢化や貧困格差ではない。本質は階級の固定化による夢と可能性の崩壊、その結果としての活気の欠如に他ならない。
デジタル世界たるヴァーチャリズムにおける最大のポイントは、所有権やオリジナリティ、個性であり、私たちは評判や流行などで人々の注目が集まるアテンションエコノミーに備える必要があると言えるだろう。
人類は「個性」を取り戻さなければならない。その「個性」から発露する「創造性」を持って新しい世界を作ってゆく必要がある。それが資本主義によって漂白された匿名世界をひっくり返すパワーとなるからだ。
3つの世界とは、 お金によって突き動かされる「キャピタリズム」(資本主義社会)、世界中を覆うネットワーク上をデータが駆け巡って構築された「ヴァーチャリズム」(仮想現実社会)、土地に根ざして自然のリズムで人々が協力して生活する「シェアリズム」(共和主義社会)とのこと。
それぞれの世界で、何が価値を持つのか、有効な生き方は何なのかを教えてくれます。
自分の活動が、どこの世界でのものなのか意識しないと生き方を間違えてしまいます。
この構造で未来をどう捉えるのか、子育て中の人は読んでおいたほうが良い一冊。
「戦争と交渉の経済学」 クリストファー・ブラットマン
戦争と交渉の経済学 人はなぜ戦うのか [ クリストファー・ブラットマン ] 価格:3,740円(税込、送料無料) (2025/1/10時点) 楽天で購入 |
戦争と同様、訴訟は費用がかかる上に効率が悪い。和解する方が賢明だし、実際、訴訟当事者の多くはそうしている。長く面倒な法廷闘争に至るのは、常識的な和解へのインセンティブが何かによって奪われたときだけである。
この場合、裁判のコスト(弁護士費用や係争期間の長さ)が交渉領域になる。だから、民事訴訟の当事者の多くは調停や示談を選ぶのだ。
何よりも、調停者は「不確実性」と「私的情報」を減らそうとする。双方の国の間に、お互いの相対的な力の大きさについての見解の不一致や、相手側が意図や戦力についてブラフをかけているのではないかという疑念がある場合、信頼できる仲介者がいれば、正確な情報を集めて伝えることができる。
容易な問題と厄介な問題を見分けなさい
人はなぜか、いくつかのベストプラクティスが存在することに幻惑されて、あらゆる状況に適合するスキームがあると思ってしまうのだ。
めちゃくちゃ分厚く敬遠されそうな本です。
戦争というタイトルですが、ここでの交渉の構造は、多くの個人の係争にも当てはまると感じました。
戦争の原因として、インセンティブとか不確実性とかバイアスなどが挙げられています。この話は、離婚問題などにも当てはまります。
話し合いがまとまらないときに、この構造をチェックしてみると、意外と打開策が見つかるかもしれません。
「フローとストック」 細谷功
フローとストック 世界の先が読める「思考」と「知識」の法則 [ 細谷 功 ] 価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/1/10時点) 楽天で購入 |
「フローとストック」は「変化」に対するものの見方ともいえます。何らかの変化そのもののプロセスがフローであるとすれば、その変化がもたらされた結果の状態がストックである、という関係です。
「ストック性」への依存こそ人間社会の根本
テクノロジーの変化によって旧テクノロジーで定められたルールやプロセスが陳腐化する、社会の変化によって需要と供給のバランスが崩れる、ルールが時代にそぐわなくなるなどの歪みはいずれも、固定化された世界であるストック(としての具体)の世界で顕在化し、抽象概念としてのルールやフレームワークを組み直すフロー(としての抽象)の世界で解消されていくのです。
この本のマトリクス図は殿堂入り図解です。
https://sagamigawablog.com/matrics/
ここからストックが壊されていきそうな予感がする2025年です。
「最新のスポーツ科学で強くなる」 後藤一成
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最大筋力型の筋力トレーニングの特徴は、「重い重量で、少ない回数の反復を行う」ことです。
オーバートレーニングに陥ると、確実に睡眠が悪化します。寝つきが悪い、眠っても夜間に目が覚めてしまう(中途覚醒)、起床時に熟睡感が得られない(睡眠の質の低下)などの自覚症状がみられます
現在では、約1週間前に筋肉のグリコーゲン量を枯渇させることは必須とせず、試合に向け徐々に練習量を減らす中で、試合の約3日前から糖質の摂取量を増やす方法が用いられています。
老化を止めるには運動しかない!
今年は100mを全力疾走しきれる体がほしいです。
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老眼の原因は、眼のピント調節がスムーズにできなくなってくること。ピントは、レンズである水晶体を、その上下にある毛様体が引っ張ったり緩めたりして、厚みを変えて調節するのだが、加齢とともに水晶体が硬くなったり毛様体が弱くなったりすることで近くが見えにくくなる。
ただ、遠くと近くを交互に見ることは、トレーニング的な効果が得られるでしょう。国内の白内障手術は年間約100万件で、約9割が保険診療。5焦点レンズだと自費で高額にもなるが、レンズは個々に合わせて製作される。眼の老化にまつわる技術の進化はヤバい。一生メガネを使わずに過ごすことだって可能なのだ。
男性のアクティビティについて重要な項目が「テストステロン」と、テストステロンの合成や増加に関わる「亜鉛」と「ビタミンD」で、ベーシックな健康診断には入っていない項目だ。
仕事が好調だという実感があるとテストステロンは分泌されるが、ストレスを感知すると、身体はテストステロンを分泌することをやめてしまう。そしてテストステロンが減ると、意欲が低下したり人間関係がおっくうになったり、眠りが浅くなったりするなど心身への影響が現れる。
町から書店が減ってドラッグストアが乱立しているのが高齢化社会かと嘆いていたものの、自分の読む本も健康本が増えているという。
ホリエモンは、私よりも何歳か上の世代です。
ホリエモンの専門医ネットワークを活かして、過去にも健康本で最新の医療情報を発信してくれています。過去の健康本と比べて、この本には、老眼とか補聴器とかテストステロン低下とか中年の健康問題が増えていて、ホリエモンの興味もそこに行ったか、と。
読んでおかないといかんよね、来たるべき老化に備えて・・・
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