刑事被告人のその後

弁護士の香崎です。

時々、刑事弁護事件も受任しますが、裁判が終わった後、被告人がその後どういう人生を

送っているか、時折思い出しては気にかかります。
通常は判決言渡しが済むと、弁護人の職務も終了することがほとんどなので、その後被告

人がどういう人生をたどるかは、特別なことでもない限りは分かりません。

ところが、この前、被告人の「その後」が分かる出来事がありました。

その事件では、被害者の方に対し弁償して示談が成立して、執行猶予を得ることができまし

た。
事件後しばらくして、その示談の相手の方から、電話が来たのです。何ごとか?と思って電

話を出たら、被告人だったAさんがまた同じ事件を起こしたことを知らされました。そして、申

し訳なさそうに「前回の事件は終わってますし、失礼なことは承知で、先生に何か助けて頂

けることはないかと、お電話差し上げた次第なんです・・・」と言うのです。

「またやったのか・・・。」私は愕然としました。

結局、この時は他に助けが入って、事件については何とか事なきを得たようです。どちらにし

ろ、私は何かしたくても(本人から正式な依頼でもない限り)何もしてあげられない立場だった

のですが。

英語で、「No news is good news.」ということわざがあります。「便りのないのはよい便り」とい

う意味です。
この1件から、このことわざの意味深さを噛みしめました。

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