弁護士の香崎です。
2011年も終わろうとしている今、2年前の話題で恐縮です。
最近、長男の歴史の勉強用に、壁に貼る「日本歴史年表」(新日本教文株式会社)を買
いました。
日本の石器時代から、最新のところでは平成まで、各時代の主要なできごとが書かれ
ています。そして、一番最近の2009年のできごとを見てびっくりです。
2009年 裁判員制度が始まった。
ううむ、歴史的なできごとだったのです。いや、もちろんそれはそうなのですが。
この年には民主党への政権交代もあったのですが、それを差し置いてこれが来るとは。
きっと作成者は司法制度について深い関心がある方に違いない。法曹界に身を置く者
としては喜ばしい限りです。
裁判員裁判は、平成11年に打ち上げられた「司法制度改革」の一環として、その10
年後の平成21年に始まったものです。始まって2年半、大きな問題はなく定着して
きた観があります。
ちなみに、刑事弁護の活動をしていると、裁判員裁判対象事件(殺人や強盗致傷など
の重大事件)で逮捕、勾留された場合、起訴されるまでの間、「裁判員裁判にするかど
うか」で、けっこうなせめぎあいがあったりします。つまり、何の罪で起訴するか、例え
ば他人に大怪我を負わせた場合でも、殺人未遂なら裁判員裁判、傷害なら通常の裁
判となり、裁判の時間と手間が大きく変わってくるのです。ここに大きな分水嶺があっ
て、起訴の際に現実に重要な判断要素になってしまうのは、あまりよくないような気も
しますが。
ところで、「法科大学院制度」も上記の司法制度改革の目玉の一つでしたが、こちらは
すこぶる評判が悪い。「国民の誰も幸せにしていない」制度と、酷評されています。こち
らは大きな見直しがされるのでしょうか。この先どうなるのでしょう。これについて書き始
めるとまた長くなりそうなので、今日は何もコメントしません。
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