奨学金地獄

奨学金地獄 借金問題

弁護士石井です。
『「奨学金」地獄』という本を読みました。

奨学金地獄

少し前から奨学金返済が大変だとテレビ等でも報道されていましたが、その詳しい内容が紹介されています。
本の冒頭では、ホームレスになった学生や風俗で働くことになった女子大生の話が載っていますが、これは奨学金の問題というより、大学の学費が高いことの問題なので、切り離して考えるべきでしょう(奨学金返済はまだ始まっていない段階)。

ただ、返済が始まった段階でも、厳しい取り立てや、基準以下の返済は認めてもらえないなど、借主側に厳しい対応が紹介されています。

結局、この問題は、
学費が高い
奨学金を借りるしかない家庭が多い
奨学金はローンであることの説明が少なく、抵抗なく借りる学生が多数
大学を卒業しても、返済できるだけの収入を得られないことが多い
返済厳しい
保証人に迷惑をかけられないから、自己破産もできない

あたりに集約されます。

今の自分が高校生に戻ったら大学には行かないという選択をすると思いますが、まあ、自分が高校生だった頃の知識を考えると、周りが使っていたら、抵抗なく借りて大学に行ってしまったでしょうね。

本の中でも、「これで大学に行ける」と友人たちと一緒に喜んだとか、進学校だったので大学に行かないという選択肢はなかったという話が紹介されています。

著者の主張とも被りますが、最悪、自己破産の可能性も考えると、
保証人をつけるのは避けて、保証料を払ってでも機関保証にして、将来の選択肢を広げておく、というのが有効な方法ではないでしょうか。

必要な額だけを借りること。機関保証を選んで、困ったら自己破産を検討すること

 

実際に、奨学金の債務を理由に自己破産をする若者、保証債務を理由に自己破産をする親や親族からの依頼も受けています。

返済に苦しんで病んでしまうくらいなら、法で認められているリセットの制度を使った方が良いと考えます。

 

中高生、受験生の親は、子に対して、このあたりの話をしておくべきかもしれませんね。

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