弁護士石井です。
児童虐待と脳についての話です。
最近、子育てに関する本では、親が子供に与える影響が極めて少ない、遺伝割合が強いという話が多くされています。
子育てする側からすると、教育の責任が軽くなるので、ラクな理論ですね。
ただ、親が子供に与える影響として、マイナスの影響については、違うと言われます。
影響度が強いと言われます。
マイナスとは、児童虐待のようなもの。
このようなマイナスの影響に関しては、子供にも思いっきり影響があるということで、脳画像にも表れるそうです。
したがって、子育ての際には、子供の能力を伸ばそうというプラスの分野は、そこまで頑張らなくて良く、子供の脳に影響を与えるマイナス部分を家庭から取り除く方に労力を使った方が良いことになります。
今回、『家庭の法と裁判』18号で虐待に関する特集がされていたので紹介します。
虐待に関して、脳画像ではっきりとと影響が出るという話です。
特に、愛着障害に関して多く触れられています。
愛着障害を負ってしまった子供は報酬型の反応が鈍くなるそうです。
報酬がもらえるといっても、反応が悪く、行動に出にくい。
愛着障害は、肉体的な暴行だけではなくて、厳格な体罰だったりとか、ネグレクトでも発生すると言われています。
精神的な虐待が影響するとなると、子供の前で配偶者にDVとか、夫婦喧嘩も影響する可能性は高いですね。
子供の脳には可塑性があるので、このようなマイナスの影響を与えてしまったからといって諦めるのではなく、なるべく早く、マイナスをなくしてあげることが大事となります。
特集の中では、乳幼児期の児童虐待経験による脳への影響を放置すると、少年期の非行、成人後の犯罪に結びつくおそれがあると指摘されています。
児童虐待防止法で、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した人は、誰でも福祉事務所・児童相談所に通告する義務があります。
これにより、安全確認、一時保護などに進みます。
児童虐待を減らし、子どもたちの脳を守ることが、安全な社会を作ることにつながるかもしれないです。
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