子どもが蹴ったサッカーボールについての親の責任

サッカーゴール ニュース

弁護士石井です。

サッカーゴール

 

平成27年4月9日に最高裁判決が出ました。

子供が蹴ったボール避けて事故、「親は賠償責任を負わない」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/09/child-parental-responsibility_n_7030912.html

裁判所サイトにもアップされています。

 

小学校の校庭で、小学生がサッカーゴールに向けてボールを蹴ったところ、道路に出てしまい、バイクで通りかかった高齢者がボールをよけようとして転倒、その後、死亡したという事件です。

遺族から、小学生の親に対して、監督責任により損害賠償請求がされたケースです。

 

民法714条では、子どものように責任無能力者が損害賠償責任を負わない場合、監督者が責任を負うとされています。ただし、監督者がその監督義務を怠らなかったときには、責任を負わないとされています。

 

このケースでは、両親は、子どもに対して、危険なことをしてはいけないと指導はしていたようですが、高等裁判所は監督責任を認めていました。

 

いやー、子どもの行動について、いちいち「フリーキックの練習をするときには、サッカーゴールから外れてネットを越えて道路に行ってしまうリスクも考えなさい」と指導なんてできないでしょう。

結果は重大ではありますが、そこまで義務とされたら、ますます「子育てなんてイヤだ」という人が増え、少子化は止まらなくなります。

日本の未来を考えたとき、親に対して、そこまでの義務を負わせてはいけないと考えます。

最高裁判決は、日本の未来にとって良い内容だと思います。

「本件ゴールに向けたフリーキックの練習は,上記各事実に照らすと,通常は人身に危険が及ぶような行為であるとはいえない。また,親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督は,ある程度一般的なものとならざるを得ないから,通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は,当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り,子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない。」

 
厚木の弁護士事務所 相模川法律事務所

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