弁護士石井です。
ネット上には、過払い金チェッカーなるものがいくつも散らばっています。
いくつかの情報を入力すると、ジャーン!
過払い金の金額が出てくるのです。
たまに、そんな過払い金チェッカーを使って「●円くらい戻ってくるって出されたんですけど」と興奮して相談に来る人もいます。
しかし、実際に計算してみると、かなり違う数字が出て、落胆するということも。
いくつかの過払い金チェッカーをチェックしてみましたが、入力する情報が不足していたり、アバウトなので、もちろん正確な金額は出てきません。
実際の取引をいくつか試してみました。
試した過払い金チェッカーは2種類。
・アコム 残50万円 取引期間10年のケース
チェッカー1 :40万円の過払い金
チェッカー2 :68万円の過払い金
実際の金額 :過払い金元金60万円、利息込みで69万円
チェッカー2は、かなり正確な数字が出ています。
・プロミス(SMBC) 残40万円 取引期間10年のケース
チェッカー1 :32万円の過払い金
チェッカー2 :29万円の過払い金
実際の金額 :過払い金元金28万円、利息込みで30万円
おお、両方ともかなりの精度を示しています。
もう、これはチェッカー2を使えば、利息制限法の計算とかしなくて良いんじゃないか?
・シンキ 残50万円 取引期間8年のケース
チェッカー1 :32万円の過払い金
チェッカー2 :46万円の過払い金
実際の金額 :過払い金元金65万円、利息込みで79万円
どっちも大幅に外しています。
めんどくさいので、これ以上は試しませんが、まあ、近いこともあれば、遠いこともあるという、ケースバイケースの結果になっています。
過払い金が10万円くらいなのか、100万円を越えるのかというケタの違いまでは起きなさそうですが、シンキのケースを見てもわかるように、何十万かの誤差はあり得ます。
というわけで、過度に信じ込むのはやめたほうが良さそうです。
当事務所でも、チェッカーに頼らず、正確に利息制限法の計算をおこなうこととします。
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