弁護士石井です。
個人再生の依頼を受ける際に、先に他の大手法律事務所に行ったことを打ち明けられました。
そこでは、「滞納税金があるから個人再生は使えない」と説明されたそうです。
これ、間違い。
もちろん、税金の方が優先するので、税金を滞納しているのに、他の借金を支払う個人再生手続を利用するのは望ましくないという考えもあるでしょう。
でも、使えるか使えないか、と言えば、使えます。
ただ、滞納税金については、分割払いの合意ができているなど、将来、滞納解消ができる見通しが必要です。このような合意は、通常、合意書など交わすことはできませんので、役所等から交付された分割払いの納付書の写しを裁判所に提出します。
このように、滞納税金があること自体はネックになりません。
しかし、滞納税金を放置したままの状態が続いていると、リスクは大きいです。
それは、差押えリスクです。特に、神奈川県の最近の市町村は、差押えに容赦なく動いてきます。
誠意を持って分割払いの交渉などをしていないと(ときにはしていても)給料を差し押さえられ、個人再生の目処が立たなくなるということもあります。
滞納税金がある場合には、早めに役所等と相談し、滞納解消に動く必要はあります。このような役所との相談は、弁護士への個人再生相談の前でも後でも構いません。
弁護士への依頼後・裁判所への個人再生申立の時点までには、分割の話がついていないといけません。
先日の、CMを流していた司法書士のケースでも、今回の大手事務所のケースでも、専門家の相談というのは、担当した人の属人的な知識に依るところが大きいですね。
「大手だから安心」だと思って相談したら、若手が担当で、誤った情報をつかまされるというのは、利用する側としてはたまったものではありません。
法律家に限らず、医師などの専門家でも同じですね。
このような知識のバラツキで、不幸な人が生じていないことを願いします。
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